韓国料理に韓流タレント、韓国ドラマと韓国コスメなどが大好きな女性は数多く。それはアイドルユニット「純情のアフィリア」の寺坂ユミさん(以下、ゆみちぃ部長)も例に漏れません。
日本市場に12年ぶりに復帰!
世界中で話題の韓国車の実力は!?
昨年、12年ぶりに日本市場に復活したヒョンデ。第1弾がBEV(バッテリーEV)のIONIQ5と、燃料電池自動車のネッソという、環境性能を重視した車種だったこともあり、多くのメディアに掲載され注目を集めました。当然、ゆみちぃ部長も「IONIQ 5」の名は聞いたことがあったようです。

IONIQ 5のラインアップは大きく分けて5種類。エントリーモデルが、バッテリー容量58kWhで、リアに最高出力170馬力/最大トルク35.7kgf・mのモーターを搭載した後続距離498km(WLTC)の後輪駆動モデル。その上にモーターの最高出力を217馬力にアップさせ(トルクはそのまま)、バッテリー容量を72.6kWhへと増やした航続距離618kmモデル、そしてフロントに95馬力/26kgf・m、リアに210馬力/35.7kgf・mのモーターを搭載した四輪駆動モデルなど、計5車種をラインアップ。参考までに、似たようなBEVとして日産アリアを挙げると、あちらはバッテリー容量が66kWhと90kWhの2種類。最高出力は160馬力から394馬力となっています。
IONIOQ5で驚くのは、その価格! エントリーで479万円、今回お借りしている最上位のAWDモデルでも599万円なのです。ちなみに、日産アリアの価格は539万円から。テスラのモデルYで587万2000円ですから、そのコスパの良さは光るものがあります。


全長4635×全幅1890×全高1645mmというボディーサイズは、同じBEVの日産アリアを上回るのですから、いっそうコスパの良さが光ります。
さらに「大きいなぁ」と思わせるのは、3mという長いホイールベース。これはCX-60の2.87m、ハリアーの2.69mを大きく上回ります。ホイールベースが長いと、室内がゆったりし、高速道路などでの直進安定性が高まるのですが、小回りが利きづらい傾向になります。事実、IONIQ 5の最小回転半径は5.99mと、CX-60の5.4m、ハリアーの5.7mより大回りです。結果、車庫入れに苦労したことを、ASCII.jp自動車部の配車係で書記兼撮影係の部員Kは正直に申し上げます。

直線基調のエクステリアは、他にはないもの。ゆみちぃ部長の言葉を借りるなら「昔の映画に出てくるタイムマシン」で、確かに言われて見たらデロリアンのSUV版という感じに見えなくもありません。ゆみちぃ部長的は、どちらかといえば「大きなグリルで丸っこいヘッドライト」がお好みなので、IONIQ 5は好みではないのですが、大きなフロントグリルでドヤるSUVに飽きている部員Kは、コレはコレでアリかも、と思ったりします。
ちなみに写真で見るより、現物の方が遥かにカッコいいです! また色によるところもあり、部員Kは今回お借りしている紺色より上写真のシルバーの方が好みだったりします。


ボンネットを開けてパワーユニットを見てみましょう。
リアシートを倒すと広大な車内空間に!







SUV好きのゆみちぃ部長。彼女がSUVを選ぶ理由は、荷物が載るという「ゆーてぃりちぃ」を重視しているからに他なりません。というわけで、荷室をチェックしましょう。容量としてはコンパクトSUVより遥かに大きいですし、もちろん同じ全長のセダンよりも荷物は載ります。ですが、見た目からすると狭いかなとも。その理由は、長いホイールベースによる室内長の広さと、スラントしたバックドア形状、リアにモーターを積載していること、そしてリクライニング機構により背もたれがかなり寝ているところによります。
後席を倒せば、ほぼフルフラットで広大な空間。「段差や隙間ができていないのはイイですね」と、使い勝手の良さに太鼓判部長。使い勝手といえば、ラゲッジスペースに12Vアクセサリーソケットが用意されており、運転中にポータブルバッテリーが充電できるのもうれしいところです。










驚くのは後席! とにもかくにも足元が広い! さらに驚くのはリクライニング対応で、プライバシーシェード、さらにシートヒーターが用意されていること。
コレはイイと思ったのは、床面はフルフラットなうえに、ドアとの段差も少なく、ドアの開口部がかなり広いという点。これはお年寄りにとって乗りやすいのでは? 年配の方を大切にされる儒教の国のクルマなんだなと思いました。
ただ、センターコンソールの形状から、真ん中にオトナが座るのはちょっと難しいでしょう。中央のシートはお子さん向けとしましょう。そのセンターコンソールにはUSB Type-A端子が2つ。エアコンの送風口はBピラー側にあり、スッキリとしたデザインに仕上げられています。スマートフォンが置けるポケットも用意されています。
運転席をチェックしましょう。乗降はしやすいのですが、その一方ホイールベースの長さゆえか、ドアはやや大きめ。
スマホのようなインフォメーション
助手席とのウォークスルーやオットマンも快適














「インテリアは明るい雰囲気ですね。キレイ感がありますね」と笑顔のゆみちぃ部長。驚いたのはUSBの多さと、助手席グローブボックスの収納量の広さ。部長を喜ばせたのは、運転席と助手席の足元の広さで、ウォークスルーができるのは画期的! メーター部は、グラフィカルな2画面ディスプレイ。センターディスプレイはタッチパネルで、ほぼすべての操作はこのディスプレイで行なうのですが、「なんかスマホみたい」というゆみちぃ部長の意見に納得です。



さすがと思うのは、グラフィカルなUIのデキのよさ。最初はちょっと見慣れないのですが、速度と残量をカッコよく表示されますし、ナビも綺麗に表示されます。ただ、カッコよい反面、文字は小さくて、老眼の方にはつらいかも。そしてスマホライクな画面は、ASCII.jp読者には受け入れやすいですが、年配の方には分かりづらいかもしれません。試しに音声入力なども使ってみましたが、比較的良好に動作しました。
ワンペダル操作もできる!
そして車内の静粛性は群を抜く

それでは、クルマを動かしてみましょう。まずハンドルコラム右手側にあるシフトセレクターをDにセット。「普通左にあるので、違和感を覚えますね」と彼女が語るように、最初は戸惑うかも。

ウインカーやワイパーなどは日本車と同じ位置。「ウインカーを出そうとしたらワイパーが動いた」という輸入車あるあるをすることはありません。操作面でユニークなのは、ハンドルのパドルで回生量だけでなく、その先にワンペダル動作へと切り替わるところ。この仕組みは便利な反面、慣れないとモードがどうなっているか分かりづらいかも。部員Kはワンペダラ―なので、もっぱらワンペダルですが、部長は普通にアクセルとブレーキを操作した方がいいとのこと。

「とても静かですね」というのが第一印象。過去、色々なBEVに乗りましたが、500万円前後のモデルでは断トツの静かさ。いや、価格を問わず電気自動車全体でみても、トップレベルの静粛性です。これは後席にも貼り合わせガラスを用いているためでしょう。

乗り心地は? というと、ちょっと前の日本車のような、ふわっとしたもの。道路の継ぎ目などのアタリは弱めですが、振動は比較的長く続く感じ。

運転支援もバッチリ。バッテリーを積載しているがゆえの重心の低さはしっかりとあるので、ロングツーリングには好適のクルマという印象です。

ゆみちぃ部長も「お値段以上のクルマですね。いいのではないでしょうか」とニッコリ。一番気に入ったところを尋ねると「ウインカーを出すと、メーターパネルに死角部分が映るのはとてもイイですね」とUIのデキ栄えに笑顔をみせました。

運転しながら、日本車を相当研究したんだろうな、というのを感じました。それは乗り心地であったり、インテリアの収納であったり。とてもデキ栄えがよく、エコノミストなどが「韓国から黒船が来た! 日本車大丈夫か?」と言いたくなる気持ちが、すごくわかります。でも日本メーカーにとって、ヒョンデ再上陸は良い刺激になるのかも。切磋琢磨して魅力的なクルマが増えれば、選択肢も増えます。これほどうれしいことはありません。

日本の駐車場での取り回しには、ちょっと苦労するけれど、クルマとしての完成度はとても高く、不満がないことが(書き手として)不満なほど。なるほど、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するだけのことはあるんだな、と感じました。お値段以上のクルマであることに間違いございません!
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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近は自動車にも興味を抱く。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、当連載で、お気に入りの1台を探す予定。