往年の名車と最新モデルが一堂に会するイベント「オートモビル カウンシル2024」が4月12~14日の3日間開催されました。近年では自動車メーカーの出展も増え、各社興味深い車両を展示しています。
【ポルシェ】クルマだけでなくファッションでもポルシェを楽しむ
入場してすぐの場所にブースを展開したポルシェ・ジャパンでは、3台のポルシェとともにライフスタイルアイテムの新作を訴求していました。


もっとも入口に近い場所に展示されていたのは、1989年式の911 ターボ。大きく張り出したリアフェンダーとテールスポイラーは迫力十分です!


続いてBEVのタイカン GTS。こちらは今年3月に開催された東京マラソン2024の先導車。ポルシェ・ジャパンはこの大会に20台のタイカンを提供。選手たちとともに東京の街を走ったそうです。



最後の1台は911 ダカール。1984年のパリ・ダカールラリーで優勝した「953」のオマージュで、全世界2500台の限定車。昨年登場したモデルですが、すでに完売しているとのこと。ちなみにボンネットにはパリ・ダカールラリーとル・マン24時間レースの両方を制した帝王ジャッキー・イクスのサインが入っていました。










ポルシェ・ジャパンはこの日より、911 ターボ誕生50周年を記念したライフスタイルアイテム「ターボNo.1コレクション」を発売すると発表しました。このコレクションは、ポルシェ創始者の娘であるルイーゼ・ピエヒが1974年に迎えた70歳の誕生日に贈られた911ターボ Nr.1(シルバーボディーに赤のインテリア、細部にクラシカルなタータンチェック柄)にインスパイアされて作られたもの。

ポルシェライフスタイル キーアカウントマネージャーのソバナ・トゥライラジャーさんは「ポルシェは自動車を超えて多様なライフスタイル製品を提供している、選ばれたブランドのひとつです。ポルシェライフスタイル製品は、ポルシェのドライバーだけでなくポルシェのファン、とりわけ将来オーナーになりたいと思ってくださる皆様も対象にしています。ポルシェを所有することを夢見る方にとって、たとえ小さなポルシェライフスタイル製品であっても、それが出発点になるからです」と挨拶。
「こうした製品を通じて、私たちはポルシェブランドを多くの皆様にとって身近なものにし、ポルシェの伝統あるストーリーを共有していきます」と語りました。
【トヨタ】クルマ文化の成熟を目指す
「トヨタ クルマ文化研究所」を設立したという想定のブースを展開したトヨタ自動車。ブース内では3つのテーマごとに車両を展示していました。

初代MR2は、「Vintage Club by KINTO」という旧車のレンタカーサービスの車両。古いクルマに関心はあっても乗ることに躊躇している人に利用してほしいとのこと。ほかにも1973年型セリカや1982年型ソアラなど12車種が用意されているそうです。


次に、長く乗ってもらいたいという願いから、過去の人気車種のパーツを「GRヘリテージパーツ」として再生産する取り組みを紹介。AE86の電気自動車は、その象徴的存在として展示されていました。





そして最後はレストア技術について。トヨタの全部門の力を使って、1台のクルマをレストアするという取り組みです。
【日産】意外な車がヘリテージカーの頂点に!
創業90周年を迎えた日産自動車。実は昨年ヘリテージカーの総選挙を行っていました。ハコスカ、フェアレディZなどを抑えて1位に輝いたのは、なんと……。

1995年のプリメーラというから驚きです。日産は大衆車も作っている会社だからこそ、現在ヘリテージ市場を支える人たちの青春時代に人気だったクルマが選ばれたのでしょう。



ほかにもS13型のシルビアやフィガロも人気を集めたのだそう。高価な車種だけがヘリテージではないということを改めて感じました。あわせて最新のNOTE e-POWERも展示。春らしい色合いで目を惹きました。
【Honda】シビックの中でも人気のモデルを展示
Hondaは、今年発売予定のシビックRSに合わせて、3台のスポーツ系シビックを展示していました。

まずは発売予定のシビックRS。「RS」 とは「ロードセーリング」の略で、あたかも水上を帆走するように、悠々と気持ちよくハイウェイを走る、そんな想いが込められています。


その始まりは、1974年の初代シビックRSから。ベーシックモデルに対してエンジンはパワーアップされたほか、唯一の5MTを採用。さらにサスペンションも変更されていました。


そして、シビックにスポーツの印象を強く植え付けた3代目「ワンダーシビック」のレーシングカーを展示。雨の鈴鹿サーキットで、格上の排気量であるBMW 635CSiをオーバーテイクしたのは、今も語り草です。
【マツダ】ロータリースピリットは死なず!

マツダはロータリーエンジンを搭載した、過去のコンセプトモデルを展示。ロータリースピリットをアピールしていました。












まずは、1970年東京モーターショー出展車「RX500」。1967年に量産化に成功したロータリーエンジンをスポーツカーに載せるということをコンセプトに、リアミッドシップにマウント。レストアされた現在は、実際に走行できるそうです。






1999年東京モーターショー出展車「RX-EVOLV」は、コンパクトかつ高出力なロータリーエンジン「RENESIS」(レネシス)を採用し、大人4人が快適にドライブを楽しめる居住空間を確保しつつ、スポーツカーとしての卓越した運動性能を同時に実現するというコンセプトで制作された1台。どこかRX-8を彷彿とさせますね。










そして昨年のジャパンモビリティショーで話題を集めた「MAZDA ICONIC SP」。
【三菱自動車】トライトンで三菱復活の狼煙!
三菱自動車はパジェロやランサーエボリューションなど、同社のモータースポーツの歴史を紹介。あわせてピックアップトラックのトライトンのコンセプトモデルを展示し、四輪駆動技術が継承されていることを訴求していました。





そして、2024年3月18日に逝去されたラリードライバー篠塚建次郎氏への追悼として、WRCで優勝したギャランVR-4と共に足跡を紹介するパネルを用意。改めて偉大なドライバーだったことを感じさせました。








さらに会場ではランサーエボリューションの最終モデルの中古車を販売! 価格はなんと1025万円でしたが、この日の午後には売り切れていました……。


【マセラティ】上品なデザインは共通、キャラクターは別モノの2台
マセラティ・ジャパンは「カスタマイズ」をテーマに、グレカーレとクアトロポルテIVを展示していました。カスタマイズはマセラティのDNAだそうで、長年に渡り顧客の要望に応えてきたのだとか。そして2021年には専用のアトリエをモデナに開設。「マセラティ・フォーリセリエ」(特注品)というカスタマイズプログラムを実施しています。

「グレカーレ」はマセラティの現行ラインナップにおける最新SUV。展示されたフォーリセリエは、トロフェオグレードをベースに、エメラルド・グリーンの外装色、プレミアムレザーや3Dカーボンファイバートリムを配したインテリアのモデルです。

第4世代の「クアトロポルテ」は、イタリアのカーデザイナーの巨匠、マルチェロ・ガンディーニによるエレガントなデザインをまとった4ドアスポーツサルーン。
【フォルクスワーゲン】ゴルフ50年の歴史を振り返る
フォルクスワーゲン・ジャパンは、主催者と共同で「ゴルフ50周年」として5台のモデルを展示。世界のコンパクトカーのお手本といえるゴルフの変遷を見ることができました。





年々、メーカーの展示内容が豪華になってきている印象を受けた今年のオートモビルカウンシル。10回目を迎える来年は、どのような展示になるのか、今から楽しみです。
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