SUPER GT第2戦が5月3~4日に富士スピードウェイで行なわれ、グランツーリスモ世界王者の冨林勇佑が乗る9号車「PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG」は、GT300クラス12位でレースを終えた。


 例年、ゴールデンウィーク期間中で多くのファンで賑わう第2戦富士大会。

今年はコロナ禍の制限が解除されたほか、2日とも晴天に恵まれたこともあり、合計来場者数は2日間で8万8400人を記録した。


 今回は富士ラウンド恒例の長距離レースとなるのだが、SUPER GTでは初めての3時間という“時間制レース”で争われた。そのため、第3ドライバーの登録が可能で、9号車は阪口良平と冨林に藤原優汰を加えた3人体制で第2戦を戦った。


予選は3番手タイムを記録! 合算で14番グリッドに

 朝の公式練習では31周を走破し、1分37秒720のベストタイムで18番手につけた9号車。今年から始まった合算タイム方式の公式予選で、うまく上位グリッドにつきたいところ。前回がノーポイントで終わったぶん、サクセスウェイトが0kgという強みを活かして、1つでも前のグリッドを目指して予選に臨んだ。


今年の冨林勇佑は目つきが違う! 今後の可能性を感じたSUPER GT 第2戦富士
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 今回も阪口がQ1を担当。上位に食い込むべくタイムアタックを敢行し、ベストタイムの1分37秒138をマークした。ただ、ライバルも手強く、トップ10台が1分36秒台を記録。Aグループ11位でQ2の冨林へバトンをつないだ。


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左から藤原優汰選手、冨林勇佑選手、阪口良平選手

 Q1でトップ8に入れなかったため、9号車はQ2のグループ2に振り分けられた。ここでのアタッカーは冨林。前回の岡山大会と同様に速さをみせ、1分36秒582を記録。

トップタイムとはならなかったが、2番手のライバルに対して0.065秒差に迫る3番手につけた。2人の合算タイムで3分14秒170となり、14番グリッドを獲得した。


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3時間レースの決勝は接触があるも12番手でゴール

 4日の決勝レースも晴天に恵まれ、サーキット周辺は早朝から渋滞。昨年よりも1割増えた5万3900人が来場し、大盛り上がりのレースとなった。


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 今回は3時間という“時間制レース”がSUPER GTで初導入され、途中に2回の給油を伴うピットストップが義務付けられた。ドライバー交代に関しての細かな追加規定はないが、1人あたりの最大乗車時間(全体の2/3=2時間)を超えないように戦略を立てる必要がある。


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 そんな中、14番手からスタートした9号車は阪口がスタートを担当。序盤に1回目のピットを済ませる変則作戦を取るチームもいれば、3時間を均等割したスケジュールを組むチームもいるなど、GT300クラスは戦略の差が大きく出る展開となった。


 9号車は3人のドライバーが1スティントずつを担当する戦略を選択。特に経験のある阪口と冨林でガソリン満タン状態で行けるところまでいって、最後の藤原がショートスティント(短時間)でゴールに向かうという流れだ。


 このため、スタートから1時間を過ぎて大半のライバルがピットインするなか、9号車は着々と周回を重ね、スタートから1時間20分が経った43周目にピットへ。ここで冨林が乗り込み、第2スティントを担当した。


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 途中、GT500車両との混走の際に一瞬接触するシーンもあったが、特にマシンにダメージはなく、レースを続行。

安定したペースで一時的に6番手まで浮上する。ここでも、燃料がなくなるまで周回を重ねていき、チェッカーまで残り25分ほどとなった89周目にピットイン。最終スティントの藤原にステアリングを託した。


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 3人が力を合わせて3時間を走り切り、16時30分過ぎにチェッカーフラッグ。9号車はスタート時から2つポジションを上げて12位でレースを終えた。


 「ロングランのペースを見ても、順当な結果だったかなと思いますが、途中に僕たちと4号車(初音ミク)でどこが違うのかがわかったので、あの瞬間はすごく良かったなと思います」と冨林。同じヨコハマタイヤでMercedes-AMG GT3を使う4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」と接近して走れた時に、学べたことも多かったようだ。


 あとは長距離レースになった時の戦略に関しても、やれることはある様子。「1スティントを引っ張ることはできるんですけど、タイヤ的に一番美味しいのは30周くらいなのかなと。40周まで引っ張ってしまうと、最後の方はかなりキツくなります。そこは藤原選手がもっと慣れてくれて、3人均等割りのスケジュールで乗れるように慣れば、タイヤを良いところをうまく使うことができるのかなと思います」


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 そして冨林自身も、レースを戦うにつれてMercedes-AMG GT3についての理解が深まっていっているという。「このクルマは懐が深いですね。

スティントの最後でタイヤが苦しくなっても、ある程度のタイムをキープできていました。そのあたりのクルマの許容範囲がありますね。あとはチームのみんなが頑張ってくれているのが大きくて、それがあったから予選より前の順位で終わることができています。次の鈴鹿では予選で前に行きたいですね。阪口選手は鈴鹿を得意としているし、クルマのポテンシャルも上がってきているので、頑張りたいです」


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 レース後もチームスタッフと、色々なことを話し込んでいた冨林。少しでも速くするため、上位でフィニッシュするための試行錯誤は続く。


GT500はニッサンZがワンツー・フィニッシュを飾るも
それ以上に注目を集めた「au TOM's GR Supra」の追い上げ!

 注目のGT500クラスは、スタートでトップに立った3号車「Niterra MOTUL Z」(高星明誠/三宅淳詞)が安定した走りでトップを独走。そのままチェッカーを受け、今季初優勝をかざった。特に最終スティントを担当した三宅にとってはGT500参戦2戦目で初優勝となった。


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 昨年、最終戦までチャンピオン争いを展開しつつも最後は悔し涙をのむこととなった3号車。今年はドライバーラインナップは変わったが、今回の優勝で27ポイントに伸ばし、ランキング2番手に浮上した。


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 今シーズンも3号車の前に立ちはだかりそうなのが、昨年のチャンピオンチームである36号車「au TOM's GR Supra」(坪井翔/山下健太)だ。開幕戦でのポール・トゥ・ウィンで46kgのサクセスウェイトを背負って第2戦を迎えたということもあり、予選では11番手と後方に下がる結果となったが、決勝ではペース良く周回を重ね、坪井が担当した第1スティントで7番手まで浮上。

1回目のピットストップでポジションをひとつ上げると、中盤担当の山下も着実に前のライバルに接近していった。


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 2回目のピットストップで1台を逆転して、終盤にはトラブルで脱落したライバルもいて4番手に。気が付けば、表彰台圏内を走る17号車「Astemo CIVIC TYPE R-GT」(塚越広大/太田格之進)の1.6秒後方でフィニッシュ。貴重な8ポイントを稼ぎランキング首位をキープした。


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 昨年同様に力強い走りに、今季から36号車の一員となった山下は「昨年までは外から見ていた“36号車の戦い方”を実体験しました。ペースも良いし、毎回ピットストップで順位を上げられました。僕のスティントでは直接誰かと争うことはなかったですけど、確実に前のクルマとの差を縮めることができました」とコメント。


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 坪井も「すべてを出し尽くした結果で満足しています。次回から燃料リストリクター制限が入って苦しい状況になりますけど、そこでの耐え方は知っているので、チームのみんなと一緒にしぶとくポイントを獲っていきたいです」と来るべき中盤戦に向けて気合十分という様子だった。


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