国内最大級のキャンピングカーの祭典「ジャパンキャンピングカーショー 2025」が1月31日~2月3日までの4日間、幕張メッセで開催されました。そこで、さまざまなクルマで何度も車中泊を経験してきた筆者が「500万円以下で快適に車中泊できそうなクルマ」を5車種、見つけてきました!


必須条件は「快適に就寝できる」
「荷物が整理できる」「テーブルがある」こと

ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
トヨタ/カムロードを架装した、VANTECH/Corde Leabes
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
車内に入ると、まるで1Kの住居のよう
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ガスコンロ付きのキッチンもある!
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室内は広々で、快適なキャンピングが楽しめそう
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VANTECH/Corde Leabesの価格は1101万4100円(展示車価格)

 キャンピングカーと一口で言ってもさまざま。もちろん住居のようなクルマの方が快適であることに疑いの余地はありません。

ですが、そうしたクルマの多くは1000万円をゆうに超えますし、車体も大きいので普段使いはちょっと難しそう。


 そこで筆者的にキャンピングカーに求める最低限の機能として「足を伸ばして寝られる」「荷物が就寝スペースを占拠しない」「飲食とPC作業をするためのテーブルがある」に加え、「ミニバンの最上位グレードが購入できる500万円以下」という条件で会場内を散策。注目の5車種をチョイスしてみました。


日産ディーラーで買える安心感
日産自動車/NV200バネット MYROOM

ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 過去に「キャラバン MYROOM」を紹介した日産自動車ブースへ。キャラバン MYROOMのほか、ノーマルのキャラバンも訴求していました。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
日産自動車/NV200バネット MYROOM
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
展示車価格は464万3100円

 その中で見つけたのが、新型車「NV200バネット MYROOM」。展示車価格は464万3100円です。NV200バネット MYROOMの良い点はディーラーで購入でき、車検も受けられること。というのもキャンピングカーの場合、大抵は販売しているショップでしか購入できない場合が多いのです。さらに車検を通そうとした時、架装を取り外さないと車検が通らない場合があり、その取り外し/取付費用が発生します。ですがキャラバン MYROOMも含め、その手間はなく普通にディーラー車検に出せるのです。これは大きなメリットではないでしょうか。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 さっそく内見してみましょう。

キャラバン MYROOMのコンパクト版といった感じのインテイリアに、これまたキャラバン MYROOMで好評だった2in1のリアシートと、移動および取り外し可能なテーブルを用意。キャラバン MYROOMほど大きなクルマはイラナイ、という人にピッタリ! 気になる就寝スペースは前後方向で1840mmと立派。かなり大柄な男性でも寝られそうです。


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 寝ている床下に荷物が置ける構造。ポータブル電源の出力を車内のコンセントとして使える工夫がなされているのも◎。使い勝手、ボディーサイズ、入手性などで注目すべきキャンピングカーといえそうです。


サブバッテリー駆動のクーラー付き!
キャンパー鹿児島/Libero CS

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キャンパー鹿児島の出展ブース
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Libero CS
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Libero CSの展示車価格は448万700円

 続いてキャンパー鹿児島のブースで見かけた、トヨタ/タウンエースバンをベースにしたLibero CSをご紹介しましょう。展示車価格で448万700円と、NV200バネット MYROOMよりお求めやすい金額になっています。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 車内はNV200バネット MYROOMと似たような構成なのですが、なんとクーラーがついているのがポイント! テーブルは少し小さいのですが、クーラーはデカい! ちなみにエンジンをかけなくても、サブバッテリーで駆動できるとのことでした。もちろん就寝スペースの下に、NV200バネット MYROOMに比べると小さいですが、荷物が収納できるスペースがあります。


ベンチシート仕様が魅力
TRAVOIS/NV200Mio Bタイプ

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TRAVOIS/NV200Mio Bタイプ
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TRAVOIS/NV200Mio Bタイプ
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TRAVOIS/NV200Mio Bタイプの展示車価格は461万1750円

 再びNV200ベースのキャンピングカーを発見。こちらはインテグラルという埼玉県の会社が架装したクルマで、展示車価格は461万1750円。MYROOMと似た室内のAタイプと、ベンチシートタイプのBタイプを用意しています。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
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 ベンチシート良い点は、背もたれ部分を移動させればスグに就寝スペースが作れるというところ。

車外に出ないと組み立てられない場合、雨の日は大変ですからね。もちろん荷物はベンチシートの下に置くことができます。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 また、こちらのクルマには水回りが用意されていますので、食器洗いなどができそうです。テーブルはスライドドア付近に取り付けるようです。


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 天井にエンジンをオフした状態でも使えるクーラーを発見! 夏場は絶対に欲しい機能ですね。


ソーラーパネル設置でノートPCなら余裕で充電可能
AUTO ONE/給電BASE

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 「軽キャンパー専門店」というアドバルーンに釣られ、AUTO ONEへ。独り身なら軽自動車でも十分寝ることができます。問題は収納スペース……。


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AUTO ONE/給電ベース
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
AUTO ONE/給電ベースの展示車価格は284万530円

 給電ベースは、スズキの「スペーシアベース」を架装した軽キャンパー。展示車価格は284万530円です。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 展示車を見ると、車内にタブレットPCらしきものが。何よりASCII.jp的に給電という名が気になるところです。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 給電ベースのすごいところは、天井に40Wソーラーパネルを設置し、サブバッテリーに充電、700W出力のインバーターを介してAC100Vに出力できるという点。

バッテリー容量はかなりあるようで、「ノートPCなら楽勝」らしいです。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 寝室の長さは205cmと長く、さらに寝床の下に荷物スペースがあります。ですが、軽自動車ゆえ容積は少なそう。それでも1人分の荷物なら十分に入るでしょう。


ベッドマットのこだわった
ATV群馬/RS1XX

ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 今度は「CYBER CABIN」という看板に惹かれてATV群馬のブースへ。サイバーキャビンとは、カロッツェリア(パイオニア)のサイバーナビをサブバッテリーから給電するもの。エンジンを止めた状態でも、車内でYouTubeが楽しめるそうです。ちなみに、同店はYouTubeチャンネルで数多くの動画を公開しています。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ATV群馬/RS1XX
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
価格は385万7900円

 ダイハツの「アトレー RS」がベースのRS1XX(展示車価格385万7900円)は、ベッドマットにこだわった1台。同社の高級ハイエースキャンピングカー RSプレミアムと同等なのだそう。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 ベッドマットの下は、薄型ではあるものの収納スペースがあるほか、フリップダウンモニターがありますから後席で動画鑑賞ができます。写真には写っていませんが、トノボード(テーブル)を取り付けることができるようです。


 以上、「500万円で買える、快適車中泊」なクルマを5車種ご紹介しました。

ですが、これらのクルマには少し気になる部分があります。それは、すべてのモデルで「車線監視機能付きクルーズコントロール」を搭載していないのです。これは商用車をベースに架装しているからで、仕方のない部分もあります。ですが、キャンピングカーは遠出する場合が多いので、運転支援機能は欲しいところです。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 N-VANをベースにしたキャンピングカーを選べば、クルーズコントロール問題は解決します。でもそれは軽自動車。普通車ではないのでしょうか?


500万をちょっとオーバーするけど運転支援付き
ホワイトハウス/FREED CORSSTAR NATURE LOVER

ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 キャンピングカーの大手、ホワイトハウス。大手らしくブースも広く、さまざまなキャンピングカーを展示していました。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ホワイトハウス/FREED CORSSTAR NATURE LOVER

 そんな同社がアピールしていたのは昨年リニューアルしたHondaのFREED CROSSTARをベースに快適車中泊仕様。ポップアップルーフ(屋根を上に持ち上げ車内空間を広くする装備)仕様など、バリエーションがありましたが、このFREED CORSSTAR NATURE LOVERが最もベーシック(=展示車価格が安価)でした。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1
ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 もともとFREED CORSSTAR(5人乗り)はシートを倒すとフラットな床になるクルマ。ホワイトハウスはそれをベースに、カーテンやベッドキット、オシャレなシートカバー、そしてテーブルなどを取り付けたようです。

寝室スペースは1600mm程度なので、大柄の男性の場合は斜めに寝る感じになります。ですが、テーブルは元々の車両にはないのでコレはうれしいところ。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 もちろん荷物はベッド下に収納できます。しかも容積は大きいのも見逃せないポイントです。また、FREEDは全車ホンダセンシング搭載なので、車線監視機能付きクルーズコントロールで長距離移動もラクラク!


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 あとは価格。ですがこちら残念なことに500万円を超えた520万470円……。人生と同じで、なかなかうまくいかないものです。


ジャパンキャンピングカーショー2025で見つけた500万円以下で実現できる「快適車中泊」特選5モデル+1

 今回は500万円を上限に「足を伸ばして寝られる」「荷物が就寝スペースを占拠しない」「飲食とPC作業をするためのテーブルがある」という条件でご紹介しました。クルマは、こうしたい、あれも欲しい、と欲張りになればなるほど、クルマが特殊化してコストがかかってくるものです。どこで妥協をするか。クルマって難しいなぁ、と思いながら会場を後にしました。


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