夏でも冬でも、どの季節でもおいしいビール。ビール好きの方にとって、仕事終わりの1杯、お風呂上がりの1杯は至福ですよね…。

最近は外出自粛の影響で、高価格帯のクラフトビール(地ビール)のニーズが増えているようです。(※1)外出できない分、自宅でリッチな気分を味わうにはぴったりですよね。

でも、そもそもビールの種類ってどんなものがあるかご存じですか?クラフトビールのほかにも、発泡酒や新ジャンルといわれるビールとの違い、何となく知っているけどよく知らない…、という方も多いのではないでしょうか。

今回はビール好きのあなたに向けて、ビールの種類について解説をします。さらには体重が気になる方にも知って欲しい、カロリーの違いについてもお伝えします。


ビールの種類


ビールの主な種類

ビールは、大麦を発芽させた「麦芽」・つる性の植物である「ホップ」・「水」を主な原料として発酵させたものです。

ビールの種類は、発酵のさせ方や酵母や原料、色の違いなどにより細かく分類されます。

<世界の主なビール>(※2)

名称原産国色発酵法ペールエールイギリス淡色

上面発酵

ヴァイツェンドイツケルシュドイツアルトドイツ褐色スタウトイギリス濃色ピルスナーチェコ淡色下面発酵アメリカビールアメリカドルトムンダードイツメルツェンドイツ褐色デュンケルドイツ濃色ボックドイツ

日本のビールは下面発酵ビール(ラガービール)がほとんどで、中でも「ピルスナー」というビールに分類されます。

ビールといえばドイツのイメージですが、日本のビールの原産国がチェコというのは意外ですよね。ピルスナービールは日本だけでなく、世界で最もよく作られているビールです。(※3)


クラフトビールって何?

クラフトビールとは地ビールのことで、小規模な事業者が作るビールのことを指します。ピルスナー以外の、日本であまり作られていなかったビールもよく作られています。

個性的な味わいで近年人気が出ており、とくに今年の自粛期間中は、売り上げを伸ばしているメーカーもあるようです。(※1)ほかのビールに比べると高価格帯ですが、飲み比べを楽しんだり、リッチな気分を味わったりと、家にいながらさまざまな楽しみ方ができるのが魅力ですね。


発泡酒、新ジャンルのビールって?

自宅ではビールではなく、発泡酒や新ジャンルのビールを愛飲している方も多いのではないでしょうか。ビール・発泡酒・新ジャンルのビールは酒税法によりそれぞれ税率が異なるため、ほとんどがビールに比べると安価です。

さらには種類も豊富で、「糖質ゼロ」や「プリン体ゼロ」など、体重や健康が気になる方にとってもありがたい存在です。

<ビール・発泡酒・新ジャンルの違い>(※4)(※5)

一般名称説明酒税法上の名前ビール麦芽・ホップ・水が主な原材料で、麦芽の使用割合が67%以上のものビール発泡酒ビールの原料と変わらないが、麦芽の使用割合が67%未満のもの発泡酒新ジャンル第3のビール麦芽を使わずに糖類やホップなどを原料として発酵させたものリキュール第4のビール発泡酒にスピリッツを加えて作られるものその他の醸造酒

ビール類のカロリーや糖質を比較!

ビール好きの方の中には、ビールを飲みすぎてお腹周りが気になる…という方も少なくないのではないでしょうか。

糖質オフやカロリーオフのビールは、普通のビールと比べてどのくらいカロリーが抑えられているのでしょうか?

<ビール類のカロリー・糖質の比較>※1缶350ml当たり

種類エネルギー糖質ビール140kcal10.9g発泡酒158kcal12.6g糖質70%オフ102kcal3.1g糖質0%98kcal0gカロリーオフ74kcal0gノンアルコールビール(糖質・カロリーゼロ)0kcal0g

※あすけん調べ


ダイエット中のビールの取り入れ方は?

ビールと発泡酒は原料が同じ分、カロリーや糖質量は大差ありません。つい2本、3本…とビールが進み、おつまみもしっかりと食べればあっという間に1食分のカロリーを超えてしまいます。

飲みすぎに注意しながら、ヘルシーなおつまみにするなどの工夫が必要です。野菜スティックや冷ややっこ、枝豆などのヘルシーなおつまみをチョイスしましょう。

また発泡酒や新ジャンルのビールには糖質やカロリーオフタイプがあり、種類も豊富なので自分好みの味わいを選びながらカロリーカットできるのがうれしいですね。

ただしアルコール自体にカロリーが含まれているため、糖質ゼロでもカロリーゼロにはならないので、やはり飲みすぎには注意が必要です。

ノンアルコールビールであればアルコールは含まれていないため、カロリーゼロのものを選ぶことができます。カロリーが気になる方はノンアルコールビールの活用もおすすめです。

ビールの飲みすぎは、カロリーオーバーやアルコールの摂り過ぎによる肥満や生活習慣病、肝臓への影響が心配されます。健康があってこその嗜好品(ビール)です!一生おいしいビールを味わうためにも、適量(ビールなら500ml程度)を楽しみ、週に数回は休肝日を設けるなどしてカラダを労わってあげましょう。

【参考・参照】
(※1)PR TIMES ~新型コロナウイルスの影響で加速した「節約志向」、「健康志向」はトレンドとして定着へ~<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000032514.html>(最終閲覧日:2020/07/18)
(※2)国税庁 ビール・発泡酒に関するもの<https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/abc/abc-beer.htm>(最終閲覧日:2020/07/18)
(※3)独立行政法人 酒類総合研究所 お酒のはなし No.4<https://www.nrib.go.jp/sake/pdf/SakeNo04.pdf>(最終閲覧日:2020/07/18)
(※4)独立行政法人 酒類総合研究所 お酒のQ&A<https://www.nrib.go.jp/sake/sakefaq03.htm#304>(最終閲覧日:2020/07/18)
(※5)独立行政法人 酒類総合研究所 お酒のはなし No.13<https://www.nrib.go.jp/sake/pdf/SakeNo13.pdf>(最終閲覧日:2020/07/18)

【執筆者】広田 千尋/管理栄養士
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
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