最近、レストランやカフェでも注文するお客さんが増えている雑穀。雑穀は栄養価が高く、カラダに良いということは浸透してきています。

けれど、具体的な悩みを改善するためにはどんな雑穀を選べばいいのか、気になりますよね。雑穀に含まれるビタミン・ミネラルなどの栄養素は、女性特有の不快症状を緩和する力があります。そこで、女性に多い悩みの改善を後押しする雑穀をご紹介します。


肌荒れ・オイリー肌などの肌トラブルには?


赤米

赤米に含まれる赤色色素の「プロアントシアニジン」は、ポリフェノールの一種で高い抗酸化力があります。抗酸化力とは、カラダを酸化させる活性酸素を除去する作用のこと。酸化による肌の老化を防ぎます。


きび

きびには糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、脂質代謝を促すビタミンB2、肌を作りだす補酵素の役割のあるマグネシウムが多く含まれていて、オイリー肌に悩む方におすすめです。


粟(あわ)

粟は雑穀の中でもパントテン酸が豊富。パントテン酸はビタミンB群の一種で、三大栄養素の代謝を促進したり、健康的な肌や美しい髪を形成したりする働きがあります。また、パントテン酸はビタミンCの働きを助ける作用があります。ビタミンCは肌の構成成分となるコラーゲン生成に繋がるため、肌荒れ対策に効果的です。


便秘には?

雑穀に豊富に含まれる食物繊維は腸内環境を整えて便通を促し、老廃物の排泄を助ける作用があります。雑穀の中でも押し麦・そばの実は食物繊維の含有量が豊富。
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、押し麦とそばの実は両方の食物繊維をバランスよく含んでいる優秀食材です。(※1)


貧血や冷え性には?


赤米

赤米にはタンパク質・ビタミンB1・B2・鉄・カルシウム・マグネシウムなどが含まれます。血液の材料となる鉄は全身に酸素を運搬するヘモグロビンの原料になります。

全身に滞りなく血液を循環させることで、冷えや貧血の緩和に働きます。


ひえ

ひえは寒いやせた土地で育った生命力の強い植物です。血液を作る材料となる鉄・マンガン・亜鉛を多く含み、赤米と同様に血液循環を良くしてカラダを温める作用があります。
特に、鉄分は白米の2倍・亜鉛は1.9倍・マンガンは1.7倍含んでいます。


ダイエットには?

雑穀は白米よりもGI値(グリセミック・インデックス値)が低いのも特徴。食べた後の血糖値がゆるやかにあがり、脂肪をためこむインスリンの分泌が少ないため、太りにくくなります。また、噛みごたえがあり満腹感を得やすく、ダイエット中の食欲を抑えやすくなります。


黒米

黒米には糖質・脂質の代謝を助けるビタミンB1・B2が豊富


赤米

赤米に含まれるタンニンには脂肪の燃焼を高めることが分かっています。


そのほか、いろいろな悩みがある人には?

その日の体調や気候などの変化で様々な不快症状で悩んでいたり、どの雑穀を選べばよいか迷ってしまったりしたら、まずはブレンドしたものを選んでみましょう。
3種類・12種類・16種類などミックスしている種類や、黒米・赤米・緑米などの古代米を合わせた種類があります。

雑穀には美容効果の高い食物繊維・ビタミン・ミネラルが白米より多く含まれています。(※1-2)毎日の食事にちょっとプラスするだけで、栄養バランスがアップしてお悩み改善に繋がります。その日の体調に合わせて雑穀の種類を変えて、味と食感・効能を楽しんでみましょう。

【参考・参照】
(※1)糖尿病ネットワーク 雑穀の効果・効能 注目度が上昇中のつぶつぶ食品
〈http://www.dm-net.co.jp/calendar/2011/011017.php〉(最終閲覧日 2017/6/16)
(※2)Masahiro Suzuki,「市販されている色素米とコシヒカリのミネラル含量」日本食品科学工学会誌Vol.63(2016) No.4 p.158-161
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/4/63_158/_article/-char/ja/〉

【執筆者】衞藤 敬子/管理栄養士
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。
アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。