2つの有名な超新星残骸の動画をNASA(アメリカ航空宇宙局)が公開しました。一つは「かに星雲(M1)」、もう一つは「カシオペヤ座A」の動画です。

どちらも20年以上にわたり稼働してきた、NASAのチャンドラX線望遠鏡のデータをもとに作成されました。

Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Image processing: NASA/CXC/SAO/J. Schmidt, J. Major, A. Jubett, K. Arcand

こちらは、かに星雲の中心付近をとらえた動画です。かに星雲は、1054年に観測された超新星の残骸です。その超新星は、中国などで観測された記録が残されています。おうし座の方向、約6500光年の距離にあります。

星雲の中心には中性子星があり、上下方向にジェットを噴き出しながら毎秒約30回転するパルサーとなっています。

動画には、パルサーの周りのリングが拡大するようすや、ジェットが変化するようすが映し出されています。

Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: NASA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major, A. Jubett, K. Arcand

こちらはカシオペヤ座Aをとらえた動画です。カシオペヤ座Aは、約340年前に夜空で輝いたと推定されている超新星の残骸です。カシオペヤ座の方向、約1万1000光年の距離にあります。ただし超新星が観測された記録は残っていません。動画をみると、超新星残骸の外側の領域が広がっているのがわかります。

どちらの動画も、冒頭はチャンドラX線望遠鏡のX線画像と、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線画像を合成した画像です。

(参照)Chandra X-ray Observatory、NASA

大きな画像はオリジナルサイト(アストロピクス)をご覧ください。