アップルのタブレット端末、iPadのシェアが急拡大している。全国の家電量販店やECショップからPOSデータを集計する「BCNランキング」でタブレット端末市場のメーカー別販売台数シェアを集計したところ、5月のシェアが61.1%と丸6年ぶりで6割台に復帰、6月が66.5%とさらにシェアを伸ばした。
昨年7月の37.4%から29.1ポイント増と大幅に増加している。シェアは、今年に入って拡大の一途。1月の43.3%をボトムに右肩上がりで上昇し続けている。

 昨年7月時点では38.7%のファーウェイが1位。機種別販売台数トップ10に7機種をランクインさせ、37.4%で2位のアップルにわずか1.3ポイント差ながらトップシェアを獲得した。しかし8月以降、アップルが持ち直しトップの座を奪還。11月に第3世代のiPad Pro 11インチモデルを発売、今年の3月に第3世代 iPad Air(10.5インチ)、第5世代のiPad mini(7.9インチ)を発売、シェアをさらに増やした。
 特に、iPad miniは3年半ぶりに新モデルが登場したとあって販売が好調。タブレット端末市場の8インチ未満製品の構成比を2割水準まで押し上げた。
 アップルがシェアを増やしている要因として、5月に米政府が執った禁輸措置の影響で、ライバルのファーウェイが勢いを失いつつある点も大きい。ファーウェイは、2017年2月から5月まで28カ月連続で2割以上のシェアを維持してきたアップルのライバルメーカー。もちろん、Android OSのタブレット端末ではトップメーカーで人気も高い。

 タブレット端末市場全体では、今年に入ってようやく前年超えの勢いを取り戻してきた状況。今後も、この勢いを維持するにはアップルの力だけでは難しい。ファーウェイを筆頭にしたAndroid勢の健闘も不可欠だ。(BCN・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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