先週は、セブン-イレブンが運営するスマートフォンスマホ)決済サービス「7pay」の不正利用問題一色だったキャッシュレス界隈。今週は、それを打ち消すように各社が加盟店拡大や機能拡充、新キャンペーンに関する情報を相次いで発表した。
特に注目したいのが、PayPay/メルペイ/LINE Payがセブン-イレブンで実施している3社合同キャンペーン。7月8~13日に話題となったキャッシュレスニュースを振り返る。
●史上初の3社合同キャンペーン PayPayは期間延長を発表
 PayPay/メルペイ/LINE Payの3社は7月11日、全国のセブン-イレブン2万965店(2019年5月末時点)で「最大20%戻ってくる!キャンペーン」を開始した。合同キャンペーンは今回が史上初となる。
 本キャンペーンにおける各社サービスの還元上限金額は1000円相当。合わせると、最大3000円相当の還元を受けることができる。期間は7月21日まで。なお、PayPayは独自にキャンペーン期間の延長を発表。7月31日まで継続して、お得に買い物できる。上限金額は11~21日で1000円相当、22~31日で1000円相当の合わせて2000円となる。なお、3社合同キャンペーンは8月12日から第2弾を開始することを発表している。
●東急ハンズは一気に7サービス 今週の加盟店拡大ニュース
 東急ハンズは7月9日、全国の東急ハンズ、ハンズ ビーの45店舗でスマホ決済7サービスを導入した。
導入するのは、「d払い」「楽天ペイ(アプリ決済)」「PayPay」「LINE Pay」「メルペイ」「QUOカードPay」「ゆうちょPay」。
 加盟店拡大は、大手チェーンだけではない。7月10日には、富士山の赤岩八合館と砂走館の二つの山小屋が「au PAY」を導入。登山者は不要な現金を持たず、スマホ一つで食事や売店での買い物ができる。山小屋では「WeChatPay」「AliPay」も利用でき、インバウンドにも対応する。
 また、千葉ロッテマリーンズの本拠地である「ZOZOマリンスタジアム」は、8月6日からみずほ銀行の「J-Coin Pay」を導入すると発表。スタンド内飲料販売(売り子からの飲料購入時)でJ-Coin Payを利用すれば安く買えるキャンペーンも実施する。
 8月6日の福岡ソフトバンクホークス戦から8月12日の埼玉西武ライオンズ戦まで全飲料が通常価格の半額、8月20日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦からレギュラーシーズン終了(8月30日のオリックス・バファローズ戦は除く)までビールが100円割引、その他飲料が50円割引で提供する。
●会員急増のファミペイ 11月に銀行口座連携も予定
 7月1日に提供を開始したファミリーマートのスマホ決済サービス「ファミペイ」は、7月9日時点でダウンロード数250万を突破。順調に会員数を増やしている。7月1日に開催したユニー・ファミリーマートホールディングスの2020年2月期第1四半期決算説明会では、11月に銀行口座連携をする考えも示唆した。
●PayPayが7月24日以降で仕様変更 出金可能な「PayPayマネー」も
 また、PayPayは現在の残高名称と有効期限の変更を7月10日に発表。
有効期限が5年の「PayPayライト」を無期限の「PayPayマネーライト」に、2年の「PayPayライト」を無期限の「PayPayマネーライト」に、「PayPayボーナスミニ」を「PayPayボーナスライト」に変更する。「PayPayボーナスライト」の有効期限は変わらず60日間。変更日は7月24日を予定している。9月30日以降にはPayPayとYahoo!マネー事業の統合を受け、有効期限が無期限で出金することもできる「PayPayマネー」を新たな残高として追加する。
 MMD研究所の18~69歳の男女3万人を対象にした「2019年7月 QRコード決済利用動向」によると、QRコードの認知が84.8%、内容理解が47.6%、利用経験が19.1%という結果だった。毎週多くのトピックが報道されることで、新たな決済方法として着実に広がりつつあることは間違いない。ただ、7payのセキュリティ問題についてはまだ全容が解明されていない。お得情報だけでなく、安全性に関する最新情報からも目が離せない。(BCN・大蔵 大輔)
【関連記事】
年間貯蓄額100万を目指して今すぐ始めるべき、ほんの少しの面倒なこと
今が正念場のキャッシュレス業界、報道されない地道な啓蒙活動も
交通系電子マネー共通キャンペーン コンビニ決済でAmazonギフト券などが当たる
お得にECサイトで買い物! “おすすめ”クレジットカード3選
LINE PayやメルペイがJCBの「Smart Code」採用に合意 インバウンド需要獲得も視野
編集部おすすめ