●本体に充電用ケーブルを内蔵したワイヤレスイヤホン
本機はネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンだ。Bluetoothの通信モジュールやバッテリーパック、リモコンをケーブルのインラインにあるふたつのボックスユニットに配置して、代わりにイヤホンはコンパクトサイズになっているため、女性でも身に着けやすい。本体の質量が約27gと軽いことも特長だ。
リモコンを配置した右側のボックスユニットは真中の辺りからふたつに分離する。開けると中からUSB Type-Cコネクタが顔をのぞかせる。通常ワイヤレスイヤホンのチャージに必要な充電用ケーブルを本体に一体化しているのだ。
コネクタを充電アダプター、またはUSB Type-C端子を搭載するスマホやタブレットに接続するとイヤホンの充電が始まる。うっかり充電を忘れて、イヤホンのバッテリーが切れそうな時にスマホから当座間に合う分の充電ができる。かなり重宝しそうな機能だ。USB Type-Cは最新のiPad Proにも搭載されているが、試してみたところFreeLaceの充電はiPad Proでもできていた。
本体に内蔵するバッテリーはフル充電から約18時間の連続音楽再生が楽しめる。スタンバイ状態なら約12日もバッテリー切れの心配がないという。5分の充電で約4時間の音楽再生が楽しめるだけのバッテリーをスピードチャージする機能もある。ファーウェイの独自ユーザーインターフェースである「EMUI9.1」に対応するAndroidスマホと接続すると、Bluetoothのペアリング設定が簡単にできる「HUAWEI HiPair」も便利だ。
装着感は奇をてらわず、肩にかけたときの軽快さを重視している。ケーブルの被覆にメタルと液状シリコンを配合した頑強な素材を使ったことで、首と肩のまわりに乗せて常に形状を保ちながら安定するデザインとした。ハウジングの背面にはマグネットを搭載して、音楽を聴かない時にはペンダントのようにケーブルをまとめて身につけられる。
●太く力強いサウンド、防滴仕様も心強い
試聴してみたところ、音質の完成度も高いと感じた。本体には9.2mmの大型ダイナミック型ドライバーを搭載。振動板はセンタードームにチタンコーティングをかけて、ゆったりとした低音の響きとスピード感あふれる中高域を巧みに両立させている。
例えば、女性ボーカルはふくよかな音像が立体的に浮かび上がってくる。EDMやロックなど音楽再生に厚みのある低音を求める音楽ファンが増えているというが、彼らの期待に十分応える。
ジャズピアノのアップテンポな楽曲も、熱い躍動感をメロディにしっかりと乗せて濃厚な音色を再現する。ウッドベースやドラムスの低音は立体的でディティールの解像感にも富んでいる。見た目には線の細いサウンドを奏でそうなイヤホンだが、意外にもダイナミックで力強いサウンドを前に押し出してくるタイプだ。人の声も厚みと切れ味に富んでいるので、動画再生のダイアローグがとても聴きやすかった。
音楽再生について一点リクエストがあるとすれば、ファーウェイの「P30」シリーズなど最新のスマホにはワイヤレスでハイレゾなみの高品位なサウンドが楽しめる新たな独自技術の「HWA」に非対応ということだ。ぜひ本機の上位モデルを今後発売する計画があればHWAにも対応してほしいと思う。
本体はIPX5相当の防滴仕様。筆者もこの頃スポーツクラブで汗を流す時には欠かさず音楽を聴いているので、イヤホンやヘッドホンを選ぶときには防水・防滴対応であることを重視している。流行りの左右本体が独立している完全ワイヤレスイヤホンも便利なのだが、休憩中にイヤホンを耳から外して過ごす時にわざわざ充電ケースに戻すのが面倒なこともある。ポケットのないスポーツウェアを着ている時にはなおさら困る。FreeLaceのようなネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンなら肩に下げておけるので扱いやすい場合もある。
FreeLaceはファーウェイの最新スマホと相性のよいワイヤレスイヤホンだが、最近増えつつあるUSB Type-C端子を搭載するスマホと一緒に使う場合でも充電機能のメリットが大いに感じられると思う。初めてのワイヤレスイヤホンを探している方には選択肢のひとつとして勧めたい。(フリーライター・山本 敦)
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