次世代ATMには、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術で、顔認証AIエンジンの「NeoFace」を活用。迅速でセキュアな本人確認が可能になる。
発表会で披露された実証実験のデモでは、本人確認の手順を紹介。あらかじめスマートフォン(スマホ)の専用アプリで個人情報を入力した後、画面に表示されたQRコードを、次世代ATMで新しく設けられた「Plusエリア」にかざす。
その後、免許証など顔写真のある本人確認書類を「Plusエリア」にかざして読み込むと同時に、次世代ATMに設置されたカメラで本人の顔を撮影する。これだけでセブン銀行の口座が開設される。
次世代ATMのカメラが本人であることを認証した後は、免許証やスマホなど何を持っていなくても通常のATMの操作画面が表示されて、暗証番号などを入力しながら現金を引き出すことができる。
次世代ATMでは、ほかにもQUコード決済などとの連携や、Bluetoothによるスマホへの情報の発信でクーポンを発行したりすることができる。また、AIを活用した現金の需要予測の高度化や各種商品の故障予測なども行えるようになるという。
包み込むようなデザインを採用することでプライベートの空間を演出したり、車いすの人でも使いやすいようにインターホンの操作位置を下げるなどユニバーサルデザインも意識。
キャッシュレス決済が進行して銀行各社がATMの設置を削減する中、あえて数百億円に上る投資をして次世代ATMを導入する狙いについて、セブン銀行の舟竹泰昭社長は「何か不具合があれば20分から30分で駆けつけて修理対応するインフラは、ほかにない。新しいスマホ決済業者が誕生する中、デジタルとアナログ、バーチャルとリアルの橋渡しをしていきたい」と語り、変化をビジネスチャンスと捉えていることを語った。
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