アパレルEC大手ZOZOのTOB(公開買付)を発表した9月12日、ヤフーとZOZOの両社による記者会見に、同日付でZOZOの社長を退任した前澤友作氏が声をかけたソフトバンクグループ創業者の孫正義社長がサプライズゲストで登壇した。

 この9月に入ってから、辞任を考えたという前澤氏。
「漫才コンビのようだな。こんなピチピチのチノパンをはいたのは何十年ぶり」と言いながら登場した孫氏は、相談が前澤氏から持ちかけられたことを明かした。
 その相談内容は、「新しい人生をもう一度過ごしたい。月に行きたい」という驚くべき内容だった。孫氏は「月に行くのがそんなに忙しいの?彼女と行けて楽しそうだな」と笑いを誘いながら、直感や感性で動く経営者である前澤氏を「いまだにロッカーなんだな。僕も彼も経営者だけど、生き様がかっこいい」と理解を示した。
 両社のTOBが成立して軌道に乗るまで、社長としてしばらく留任することをアドバイスした孫氏だったが、前澤氏はきっぱりと断ったという。そんな潔さや決断力も、孫氏にとってかっこよく映ったのかもしれない。
 あとはヤフーの川邉健太郎社長に、「前澤君が人生再スタートを切るそうなので、よく話しあってみたらどうか」と伝えたことから、今回の決定に至ったという。
 会見で前澤氏から「月に行きませんか」と誘われた孫氏は、「怖いよ。高所恐怖症だし」と断り、最後にはお互いに肩を組みながら写真撮影に応じた。
 残された社員について質問されると声を詰まらせて泣く場面もあった前澤氏だが、経営について相談したり、一緒に風呂に入ったこともある孫氏との二人のきずなは今後も変わることはなさそうだった。

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