新型コロナウイルスの感染対策として全国で緊急事態宣言が発令され、外出が抑制された今年のゴールデンウイーク(GW)。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、デジタル家電市場全体の販売金額は、GWの前半(4月27日~5月3日)が前年同期比100.6%、後半(5月4~10日)が139.4%となった。
GW期間全体でならしてみても116.6%となり、家でも買い物ができるネット販売を中心に市場全体は二桁増で拡大していたことが分かった。

 GWの前半と後半で大きなギャップが生じているのは、昨年のGWが平成から令和の改元と新天皇の即位による10日連続の大型連休となった影響による。前半の前年同期がすべて祝日だった一方で、後半は今年のほうが祝日は2日多かった。このことが、前半のリアル店舗の販売金額82.4%に対して、後半は132.0%まで急伸した結果として表れた。
 しかし、前半と後半でならしてみると、全体の販売金額は116.6%だった。緊急事態宣言下の外出自粛で消費マインドが冷えているかと思いきや、デジタル家電市場全体のトレンドとしては、3月30日週から前年を上回り、二桁増で拡大しつづけているのだ。

 ポイントは、家にいても買い物ができるネットの販売金額の急伸だ。GW期間全体でならした場合の内訳は、リアル店舗が101.5%、ネットは166.7%となり、ネット販売が急増している。昨年のGWにはなかった顕著な動きだ。
 BCNランキングの別のデータ分析で、4月のノートPCの販売台数が、昨年の消費増税前の駆け込み需要が起きた19年9月の水準に匹敵したと指摘するように、在宅勤務やテレワーク需要を背景としたノートPCや関連商材の著しい伸びが、市場拡大のけん引役になっている。
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https://www.bcnretail.com/research/detail/20200513_172973.html
 GW期間中に緊急事態宣言は5月31日まで延長されることが決まった一方で、GW明けの5月14日には関東や関西、北海道の8都道府県を除く39県で宣言の解除が決まった。事態が目まぐるしく変わる中、デジタル家電市場の拡大は、いつまで続くのだろうか。
テレワークの定着を占う意味でも、気になる動向だ。(BCN・細田 立圭志)
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