同シリーズの最大の特徴は、最大180度可動するフリップカメラ機構だ。前機種のZenFone 6から搭載されたASUS独自のシステムで、アウトでもインでも同じレンズで撮影することを可能にした。メリットは二つある。インカメラを搭載する必要がないので見栄えの悪いノッチを排除できること、そして設計の都合で貧弱になりがちなインカメラによるセルフィーが高画質&高機能のアウトカメラで行えるということだ。アウトカメラの進化がそのままインカメラに直結するので、まさに2度おいしいというわけだ。
新モデルでは、レンズが2眼から3眼に進化した。構成は、6400万画素のメインカメラ(Sony IMX686イメージセンサー、F1.8、ProのみOIS)、1200万画素の広角カメラ(Sony IMX363イメージセンサー)、800万画素の望遠カメラ(光学3倍/デジタル12倍、ProのみOIS)。メインと望遠では、ProのみOIS(光学手ブレ補正機能)を備えている。
まずは、アウトカメラを試してみた。被写体は東京駅舎。ズーム倍率を変えながら画角や解像感をテストした。
フリップカメラは、インカメラ用の180度だけでなく自由に角度を調整することができる。新モデルからはよく使用する角度であれば登録してすぐに呼び出すこともできるようになった。つまり、画面を見やすい角度に保ったままで、目の前の被写体を正面から捉えるなどの撮影が可能なのだ。
インカメラ撮影は先述した通り、使えるレンズと機能がアウトカメラと変わらないのがメリットだ。インカメラの画はどれも同じようなものになりがちだが、ZenFone 7であれば三つのカメラを使い分けた撮影が可能。また、6400万画素というインカメラではまずお目にかからない高解像度のセルフィーが撮影できるのも唯一無二の魅力だ。なお、ボケ味はあとで調整することもできる。
従来モデルの「ZenFone 6」でもフリップカメラはスマホの新しい撮影スタイルを提示してくれたが、新モデルの登場でその幅はさらに広がったように思う。AIをはじめとしたソフトウェアによる機能拡張が全盛期にあるが、ハードウェアのギミックはユーザー側で使い方を考える余地が大きいのがおもしろい。
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