来年で「地デジバブル」からちょうど10年。液晶テレビ(4K以上)の年間販売台数シェア争いが大詰めを迎えている。
全国の家電量販店やネットショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、液晶テレビ(4K以上)の販売台数シェア(2020年1~11月)で、ソニーが4年ぶり年間での首位奪還に王手をかけていることがわかった。

 11月時点のソニーの販売台数シェアは26.9%で首位。続く2位のシャープは24.7%でソニーを追う。3位は15.7%で東芝映像ソリューションがつける。12月もソニーが逃げ切れば、液晶テレビ(4K以上)部門で17年、18年、19年と3年連続で年間トップだったシャープの座を奪うことになる。
 ソニーとシャープのシェア差は2.2ポイントと僅差。需要のピークとなる12月の年末商戦は、販売現場レベルでし烈な戦いが繰り広げられていることだろう。
 1~11月までの月別シェアの推移をみると、ソニーがシャープを抜いたのは5月。ソニーの28.7%に対してシャープは27.5%だった。5月といえば、ちょうど特別定額給付金が支給されはじめたころで、家電量販各社の決算説明会でも、給付金が家電需要を後押ししたと発表されている。まさにソニーが、その流れに乗る形で首位の座をキープしている様子がBCNランキングのデータからもわかる。
 アナログ放送が停波して現行の地上デジタル放送に移行したのは2011年7月。
その年の年間テレビ需要は約2000万台にもなる「地デジバブル」が発生した。来年でちょうど10年になることから、当時購入したテレビの買い替えサイクルに突入している。
 買い替えの参考として、機種別トップ3をみてみよう。トップはシャープの49型「AQUOS 4K 4T-C40BJ1」で王者の意地を示す。
 2位はソニーの49型「BRAVIA KJ-49X9500G」、3位はソニーの55型「BRAVIA KJ-55X9500G」が入り、X9500Gシリーズが人気だ。55型の大画面4K液晶テレビが3位にランクインしたことが示すように、この10年でテレビの大画面化が進んだ。
 4K液晶テレビの頂上決戦の結果は、2021年1月22日にオンライン開催される「BCN AWARD 2021」で明らかになる。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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