有機ELテレビの販売比率は、4月時点で台数が8.9%と1割に満たない。しかし、金額では24.1%とほぼ4分の1の規模にまで拡大。存在感が増している。48型以上の大型製品しかなく、平均単価が20万円を超える商品が多いためだ。高画質で映像の応答速度も速くスポーツ観戦にも適した有機ELテレビ。ワンランク上のテレビとして、定着してきた感がある。液晶テレビに比べればまだまだ割高だが、その分プレミアム感も高い。
最も売れている画面サイズは55型で、58.5%を占める。65型が23.3%で続く。このところ売り上げを伸ばしているのが、最も小さな48型。昨年4月時点では1%にも満たなかったが、この4月に14.9%を占めるまでに拡大してきた。平均単価(税別)が16万2000円で、大きさも価格も手ごろな範囲に収まっているのが人気の理由だ。最も売れている55型も18万6000円と20万円を切っている。
台数シェアで1位、2位を争っているのがソニーとパナソニック。この1年では、おおむねソニーが強く35%前後のシェアを維持してきた。パナソニックは月によってはソニーを上回る場面もあったが、30%前後のシェアで推移している。
単価の安い48型に限るとシャープのシェアが40.7%と最も高く、昨年は断トツだったソニーからシェアを奪っている。55型、65型では、ソニーとパナソニックが競っており、55型でパナソニック、65型でソニーがトップシェアだ。より大きなサイズの77型では、ソニーが9割以上を握っている。(BCN・道越一郎)
【関連記事】
液晶テレビでシャープが意地の首位奪還、TVS REGZAは「一月天下」に終わる
ソニーとシャープがトップ争い、4Kテレビ市場で春の陣を制したのは?
シャープが液晶テレビで東芝に敗れる、16年5カ月連続トップ記録に終止符、21年3月
新生活商戦で売れた4Kテレビは? 最新の販売動向を分析
液晶テレビでシャープが首位陥落、16年と21週連続のトップシェア記録途絶える