「あたりめ」といえば、昔からあるおつまみの定番だ。家飲みが増えたこの時期、家に常備している人も多いだろう。
大人のおつまみだけに限らず、子どものおやつやダイエット中の間食としても人気がある。気軽に手に入る大手コンビニ3社のオリジナル商品のあたりめを比較してみた。

● あたりめと他のイカ製品の違い
 あたりめと聞くと、「乾燥したイカを細く切ったアレ」を想像するだろう。しかし、「するめ」や「さきいか」など似たような商品は多く、その違いは意外と知られていない。
 主な違いは以下の通りだ。
・あたりめ:内蔵を取ったイカを乾燥させたもの。するめの「する」は「お金をする(すり減らす・費やす)」に通じるため、縁起の良い「あたり」という言葉に置き換えたのが名前の由来だともされる。
・するめ:あたりめと同じもの。
・さきいか:炙り焼きにしたイカを裂いたもの。やわらかく仕立てたものもある。
 どちらのイカ製品も魅力的だが、素材そのものの味をより楽しめるのがあたりめだといえる。 シンプルだからこそ、マヨネーズ(特に七味マヨネーズは格別)との相性が抜群なのだろう。

●あたりめは健康にもダイエットにも◎
 イカには多くの栄養が含まれる。中でも有名な健康成分は「DHA」や「タウリン」である。DHA(ドコサヘキサエン酸)が青魚に多いのはよく知られているが、実はイカにも多く含まれる。DHAは血液サラサラ成分としての効果のほか、アレルギー疾患の予防や脂肪燃焼などの効果も期待できる。
 タウリンは栄養ドリンクなどによく配合されている成分として、疲労回復のイメージがあるかもしれない。心臓や肝臓などに広く存在し、コレステロールの吸収を抑える働きなどを持つ物質ともいわれる。直接的な疲労回復効果はハッキリと証明されていないが、実際に疲れがマシになったと感じる人も多いのではないだろうか。
 イカはタンパク質も多く、筋肉をつくるのに役立つ。タンパク質は、ダイエット中に不足しがちな栄養素でもあるため、ダイエット中こそ意識してイカを食べたい。
 イカの刺身や煮物はしょっちゅう食べられなくても、あたりめであれば好きなときに楽しめる。また、基本的にあたりめはイカと食塩のみで加工されており、余計なものが含まれていない。添加物が気になる人にも良いだろう。

 大人だけではなく、子どものおやつとしても良い。固い物を食べ慣れていない子どもの、「噛むトレーニング」にもなる。
●あたりめはどれも同じなのか
 おそらく、今まであたりめを食べた経験がない人の方が少数派だろう。それほどあたりめは、国民に慣れ親しんだおつまみとして浸透している。
 しかし、今まであたりめの違いに注目した経験はあまりないかもしれない。もしかしたら、「あたりめはどれも一緒」と思っているかもしれない。そこで、セブン‐イレブンとローソン、ファミリーマートのあたりめを食べ比べてみた。
●セブン‐イレブン~ほんのり感じる甘み
 セブンイレブンの「香ばしく焼き上げたあたりめ」は、香ばしいという響きから、思わず期待が高まるのは筆者だけだろうか。
 見た目も、他の2社とは少し違う。端の部分がかなりささくれ立っており、手で裂いたような温かみを感じる。一見やわらかそうな気もするが、口に入れるとしっかりと固い。
 噛んでみると、あたりめ特有の塩気の後にほんのりと甘みが感じられる。
いつまでも噛んでいたくなるような、不思議な感覚だ。
 内容量は14g。セブン&アイグループとジョッキの共同開発商品である。
●ローソン~定番の味わい+わずかに多めの16g
 ローソンの「あたりめ」は、その名称だけでなくパッケージもシンプルなので、おつまみ感がやわらぎ、女性でも手に取りやすい。
 中のあたりめは個体差があるのかもしれないが、3社の中で一番長細い形状のように見える。また、表面が最も黒っぽいようにも見える。
 口に入れると、かなり固く、久しぶりに口にすると驚くかもしれない。長さがあるので、1本をじっくりと楽しめる。内容量は16gで、他の2社よりも2g多いのもそそられる。ローソンとなとりの共同開発商品である。
●ファミリーマート~定番の安心感
 ファミリーマートの「かむほど旨いあたりめ」は、パッケージに「熱燗や焼酎のおともにどうぞ」と記しているため、つい家飲みのシーンを想像してしまう。中身は少し小ぶりで、表面の白さは他2社よりも少し目立つ印象だ。

 口に入れると、最も固さを感じた。ただし、ローソンとの違いを改めて問われると、ほぼ大差はないといっても良いだろう。内容量は14g。このサイズが、最近のコンビニのあたりめの定番のようだ。
 ファミリーマートとなとりの共同開発商品であるため、ローソンのあたりめとよく似ているのかもしれない。ちなみに、ファミリーマートでは「マヨネーズ付きあたりめ」321円も販売している。こちらはわざわざマヨネーズを用意する必要がなく、手軽かつ美味しく食べられるのでおすすめだ。
●塩分が気になるあなたに-セブン‐イレブン
 コンビニ各社のあたりめの違いを紹介したところで、おすすめのタイプを紹介したい。筆者の主観や感想が大きいため、参考程度にしていただけるとありがたい。
 あたりめがダイエットや健康面でも注目されていると前述したが、中には塩分が気になる人も多いだろう。確かに、あたりめの原材料は基本的に「いか、食塩」で、食塩量は少ないとはいえない。
 あたりめ1袋あたりの塩分量を比較すると
・セブンイレブン:0.5g(1袋14gあたり)
・ローソン:0.6g(1袋16gあたり 容量14gに換算すると0.525g)
・ファミリーマート:0.6g(1袋14gあたり)
 となっており、セブン‐イレブンが最も少ない。

 0.1gとわずかな差ではあるが、日本高血圧学会によると成人の塩分摂取量の目標は1日に男性は7.5g未満、女性は6.5g未満とある。世界保健機関(WHO)も、すべての成人の減塩目標を5gとしている。
 0.1gでも、馬鹿にはできない。「少しでも塩分を控えたいが、あたりめを食べたい」「普通のあたりめは少し塩辛い」。そんな人にセブン‐イレブンのあたりめはおすすめだ。
●じっくり「ながら食べ」がしたいあなたに-ローソン
 チューハイやハイボール片手に、動画鑑賞なんて、理想的なおうち時間の過ごし方といえる。「ながら食べ」には、長さのあるローソンのあたりめがおすすめだ。
 スナック菓子などは食べていると手が汚れるため、リモコンやタブレットなどを操作しにくい。あたりめなら手が汚れる心配がなく、動画鑑賞向きといえるだろう。
 さらにローソンのあたりめであれば、1本にじっくりと時間がかけられるため、動画に集中できる。「ながら食べ」はついつい食べ過ぎてしまうのがネックだが、ローソンのあたりめは少し量が多いため満足できるだろう。
●ダイエット中のおやつに-ファミリーマート
 あたりめはしっかりと噛む必要があり、あまり一度に量が食べられない。
高タンパク・低カロリーでダイエットに持ってこいだが、ファミリーマートのあたりめがおすすめなのは『固さ』と『サイズ感』だ。
 ファミリーマートのあたりめはしっかりした固さが感じられるため、少量でも満足できる。ダイエットのおともにあたりめを食べる場合は、一度に食べてしまわず、何度かに分けて食べるのが望ましい。
 その点、ファミリーマートのあたりめはセブン‐イレブンのものと内容量は同じながら本数が多いため、小分けにも便利だ。少しだけ食べたい気持ちも満たされる。
 特にダイエットドリンクなどの飲み物系でダイエットしている場合には、「噛む」喜びを感じられるあたりめが力になってくれるに違いない。
●自粛生活のおともにあたりめは最適
 外出自粛の生活が続き、体型が気になる人にもあたりめは良い。賞味期限が長く保存が利くのも、あまり頻繁に買い物に行けない今、うれしい要素だ。大人も子どもも、男も女も楽しめるあたりめは、常備しておくととても便利なのである。
 また、ネットで話題になっている炊き込みご飯にするのも面白い。簡単にイカ飯風の炊き込みご飯が楽しめるとあって、人気だ。この機会に、今までよりも、あたりめを楽しんでみてはどうだろうか。(GEAR)

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