しかし、ネオジム磁石の登場で磁力が激変。ものによっては、一旦くっついてしまうと人の手では引き離すのが難しいほどの強力な磁力を持つものも珍しくない。ネオジム磁石を使ったおもちゃを子どもが誤って飲み込んでしまい、磁石同士が体内でくっつこうとしたために、腸に穴が開き開腹手術をして摘出するという、痛ましい事故が起きたこともある。下手に取り扱うとケガをしかねない、それほど強力なのがネオジム磁石だ。
強力ゆえに、逆に使いにくい場面も出てくる。一旦くっついたが最後、金輪際外せないとなれば、使い道も限定される。必要なときに強力な磁石になり、必要ないときに磁力がなくなる。
そう思っていたら、実際にそんな製品があった。ノブを回すだけで磁力がオン/オフできる切り替え式の永久磁石。米国に本社を構えるMagswitchTechnologyの製品が有名だ。鉄板を運搬する際に使ったり、金属の溶接のや加工の際の仮止めに使ったりと、主に産業分野で活躍している。
ケースに二つの磁石を入れた構造で仕組みはいたって簡単。それぞれの磁石の極性を合わせれば強力な磁力を発揮し、ぐるっと回して極性を逆にすれば互いに打ち消しあって磁力が消える、というものだ。実際にキーホルダータイプで100gほどの小さな製品を使ってみた。磁力オンの状態は、とても強力な磁石そのもの。保持力は最大27kgもあるという。
現在は産業用が大半で個人向けの製品はまだほとんどないが、この「ON/OFF磁石」、アイデア次第では日常生活にも便利に使えそうだ。(BCN・道越一郎)
【関連記事】
引っかけるだけで収納空間をプラス! ハンギングラック「コルガ」は狭いデスクの救世主
在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
近所の散策→キャンプまでじわじわ移行するときに買ったアウトドアグッズ
史上最高の性能だけじゃない! 新しい12.9インチの「iPad Pro」を買うべき4つの理由
アウトドアに最適な「TRIVALGOGO 多機能ホイッスル」、方角&気温もチェック!?