そごう・西武は、年会費無料のクレジットカード「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」会員向けに、スマートフォン(スマホ)向けの「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾンアプリ」を使ったコード決済「アプリ払い」を開始し、店頭ポスターなどで、アプリ払いの利用を強く打ち出している。アプリ払いの使い方は、PayPayなど一般的なスマホ決済サービスと同じ。
続けて、22年2月1日にクラブ・オン/ミレニアムメンバー向けポイントサービスをリニューアル。クラブ・オン/ミレニアムポイントの付与は自社クレジットカード決済と現金・商品券・nanacoに限定し、クラブ・オン/ミレニアムカード セゾンによるクレジットカード払い・アプリ払いでは前年の年間購入金額に応じて最大7%(食料品1%)となるが、他社クレジットカードやコード決済ではポイント還元・年間購入金額への加算は対象外となる。
食料品・専門店と西武東戸塚S.C.は、自社クレジットカード・現金・商品券・nanacoに限り、従来から変更なしの1%還元で、他の決済方法はポイント付与がない。もし今後、そごう・西武がセブン&アイグループから離脱する場合、この食料品・専門店でのnanacoの優遇はなくなるかもしれないが、現時点ではnanacoを使うメリットはある。
スマホだけで支払える「アプリ払い」は決して珍しいサービスではなく、三井不動産は、以前から「三井ショッピングパークカード セゾン」とアプリを組み合わせた「アプリ de 支払い」を提供している。イオンもイオングループの新しいアプリ「iAEON(アイイオン)」でイオンカード・イオンマークのあるデビットカードと組み合わせた同様のコード決済「AEON Pay」を開始したばかり。「楽天ペイ(アプリ決済)」も、実質的には楽天カード紐付けコード決済であり、楽天ペイのキャンペーンの一部は楽天カード限定だ。
収益向上のため、幅広いキャッシュレス決済サービスに対応しつつも、自社クレジットカード決済を優遇し、囲い込みを強化するケースが今後ますます増えると考えられ、そごう・西武は、もっと早くから自社クレジットカードとnanaco優遇に舵を切っていれば、店舗数はここまで減らず、もっと身近な百貨店として親しまれていたかもしれない。(BCN・嵯峨野 芙美)
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