またドラッグストア大手のツルハホールディングスは、三井住友フィナンシャルグループをパートナーとして、「Bank Pay」を中心としたキャッシュレス決済サービスをツルハグループアプリで2022年度冬(予定)から開始すると発表した。ドラッグストア各社は公式アプリによる割引クーポンの配信やお買い得情報のプッシュ通知に力を入れており、こうした自社決済サービスを導入する企業が今後増える可能性は高い。そうなると、公式アプリ内コード決済は、主要なキャッシュレス決済手段の一つに加わるだろう。
公式アプリ内コード決済に共通するメリットは、会員コードの提示(ポイント獲得・会員限定クーポンの適用)と決済が1回で完了するため、レジの所要時間が短縮すること。ポイントがたまる店舗の場合、ポイントカード・アプリの提示忘れによるポイント獲得漏れもなくなる。
デメリットは、初回の会員登録のハードルがやや高く、よほど魅力的なキャンペーンがないと会員登録に至りにくい点だろう。メールアドレスの登録だけなど、初回登録は簡単だが、スマートフォン(スマホ)の機種変更時の手続きが面倒(やり直し・引き継ぎ不可など)といったケースもあり、総じて会員登録(オンラインショップメンバー登録)、クレジットカード・金融機関の登録は面倒だ。
ほかにも、アプリ内コード決済を利用すると、PayPayや楽天ペイ、au PAYなどの主要スマホ決済サービスが期間限定で実施する「抽選で当たる」キャンペーンや「もれなくもらえる」キャンペーン、アプリ限定割引クーポンなどの対象外となり、手軽さと引き換えにお得度が下がってしまうデメリットがある。
ちなみに、ユニクロはUNIQLO Payのサービス開始1周年を記念して、UNIQLO Payで3000円以上購入すると、ロッテのチョコ菓子「パイの実」をベースとしたオリジナルノベルティ「ペイの実」またはクーポンをプレゼントするキャンペーンを2月14日~3月15日に実施していた。初回登録特典として、店舗・オンラインストアで使える500円オフクーポンも配信しており、登録さえ完了すれば、簡単・便利なUNIQLO Payの普及に力を入れているようだ。
●好きな店舗・よく行く店舗は会員登録でさらにお得に
公式アプリ+コード決済のメリットは、何といっても、ポイントカード・会員証の提示と決済を別々に行うより、スピーディーに決済でき、ポイントカードのポイントのもらい損ねがなくなること。
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