東京地下鉄(東京メトロ)は4月25日、バリアフリー設備の整備にあたり、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、東京メトロ全路線で大人旅客運賃を10円値上げすると発表した。値上げ時期は23年3月頃を予定している。


 東京メトロでは、すべての人により安全・安心で快適なサービスを提供していくため、これまでも国と地方自治体の協力を得ながら、ホームドア、エレベーターなどの各種バリアフリー設備整備を積極的に実施し、持続的に設備の維持・更新を行ってきた。
 今回、第二次交通政策基本計画で示された「誰もがより快適で容易に移動できる、生活に必要不可欠な交通維持・確保」の基本方針のもと、バリアフリー設備整備にあたって、国により昨年12月に創設された鉄道駅バリアフリー料金制度を活用することとした。利用者の薄く広い負担を得て、年齢や障がいの有無に関わらずすべての人が安全・安心で快適に利用できる環境を整えるため、2025年度までのホームドア全線整備をはじめとした、各種バリアフリー設備の整備を着実に推進していく。
 また、設備整備以外に従来から取り組んできた、駅社員のサービス介助士資格取得、積極的な声がけやサポート、東京メトロ公式HPや「東京メトロmy!アプリ」によるバリアフリー設備や移動ルートについての情報提供なども引き続き実施していく。
 バリアフリー設備の整備に関する今後の取り組みとして、ホームドアについては、2025年度までの全線整備に向け、日比谷線、東西線、半蔵門線で整備を進めていく。段差解消設備のホームと車両床面の段差・隙間縮小については、日比谷線で整備を進める。バリアフリートイレ(多機能トイレ)については、引き続きエレベーター複数ルート上の追加整備を進めていく。車両のフリースペースについても、整備を着実に推進していく。
 また、バリアフリー設備については、顧客が安全・安心で快適に利用できるよう、設備の更新と日常の点検を行っていく。なお、2029年度までに、ホームドア136駅273番線、エスカレーター70駅161基の設備更新を予定している。
 バリアフリー設備の整備にあたっては、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用することとし、国土交通省関東運輸局に、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用した料金設定と整備等計画の届出を行った。東京メトロ全路線を対象に、2023年3月頃から、10円の鉄道駅バリアフリー料金を、現在の大人旅客運賃に加算する予定。
通学定期旅客運賃については、鉄道駅バリアフリー料金は加算しない。また、小児については、鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人の半額となる。運賃に加算して収受した鉄道駅バリアフリー料金は、バリアフリー設備の整備費などに充当する
【関連記事】
JR東日本、特定区間で10円値上げ、2023年3月ごろから バリアフリー設備の整備費へ
メトロ有楽町線(豊洲・住吉間)、南北線(品川・白金高輪間)が延伸へ 2030年代半ば
オフピーク出勤などでポイント還元 西武鉄道「乗車ポイントサービス」7月開始
「au PAYのSuica」始まる au PAY残高からチャージでPontaポイント付与
いくつ知ってる? スマホアプリでたまる首都圏沿線共通ポイント
編集部おすすめ