飯能河原は、一部の情報サイトで「駅から徒歩で行ける無料BBQ場」などと紹介されている親水エリア。有料化実証実験期間中。BBQ目的の利用は有料だが、川遊び・釣り、散策などは引き続き無料。しかし、SNSでは、「河原に立ち入ること」自体が有料だと誤認するコメントが見受けられた。
1人1000円の利用料金は当日現地で現金で支払う仕組み。予約枠1件につき最大6人まで利用でき、利用人数は延べ1434人、売上は124万9000円(ゴミ回収のみの利用4件・2000円含む)だった。
事前予約は、奥むさし飯能観光協会の専用フォームからのオンラインによる申し込みのみ。予約を申し込んだ日から3日後を目安にSMSで予約確定を通知するため、申込時点では予約が確定しないという。一般的なオンライン予約システムと比較し、かなり使い勝手の悪い仕組みだった。
来場者に対して実施したインターネットアンケート(回答数22件、回答率8.9%)によると、利用者居住地は東京都内が最も多く63.6%を占めた。飯能市を除く埼玉県と、地元の飯能市が18.2%で並んだ。かなり少ない回答数ながら、回答者の63.6%が「非常に満足」「満足」と回答し、「不満」と回答した理由も、「予約システムの使い勝手が悪い」「有料化を知らなかった」「(専用)駐車場が近くにない」といった「有料」以外の理由だった。また、回答者の90.9%は、「今後もまた利用したい」と回答した。
長引くコロナ禍でのアウトドア・BBQブームを受け、休日は人が殺到し、あまりの「密」な状態やゴミの不法投棄、騒音(ポータブルスピーカーで音楽を流す)などが問題視されたため、今年のゴールデンウィークは「火気使用可のBBQエリアは有料」「日没後の立ち入り禁止(宿泊を伴うキャンプ不可)」という事態になった飯能河原。昨年8月7日から10月5日まで、問題解決のため一時閉鎖となった際、インターネット上では埼玉県民のマナーが悪いという指摘が見受けられたが、アンケートの結果、利用者の多くは東京都民だと判明した。東京・埼玉のローカルの問題にとどめず、公表された「火気使用等に関する有料化実証実験」の結果を参考に、全国的に「公共の河川や海岸などでのBBQの是非」を検討するべきではないだろうか。守るべきマナーを啓蒙せず、アウトドアブームを煽るメディアも反省が必要だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
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