UPS市場は、昨年10月から活性化。販売前年比は、10月に台数153.4%、金額で144.8%を記録。11月には台数202.1%、金額168.5%とさらに拡大した。この1月も台数166.6%、金額142.1%と好調を維持している。平均単価(税抜き、以下同)は、2021年頃までは2万円台前半だったが、昨年初頭は3万円台前半から半ばまでに上昇していた。しかし昨年6月以降は下落に転じ、3万円を上限に2万円台後半で推移している。この価格の下落が活況の一因だろう。
UPSの主要メーカーは、シュナイダー・エレクトリック(シュナイダー)とオムロン・ソーシアル・ソリューションズ(オムロン)。
1月現在で最も売れているのはシュナイダーの「APC RS 550 BR550S-JP」。最大容量330Wで、持続時間(最大負荷時の標準、以下同)は約3分だ。平均単価は1万8600円。
UPSは、停電が発生した際に一定時間電力供給を継続するための装置。電源供給が断たれても、しばらくはPCなどの動作を維持できる。UPSから電源供給されている間にPCを正常に終了させれば、データ破損などを避けることができる。一時的にブレーカーが落ちたような場合や瞬間的に生じる停電「瞬停」による不具合回避にも有効だ。そのため、落雷が頻発する夏場に販売が増える傾向にある。長時間電源供給する装置ではなく、電源供給できる時間は最大負荷時で数分から数十分程度と短い。災害時など長時間にわたって電源を供給するためには、非常用発電機や大容量のポータブルバッテリなどが活躍する。UPSと非常用電源は用途によって使い分ける必要がある。(BCN・道越一郎)
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