新入社員や異動で新しく職場に来た相手に対し、先輩や上司がかける「仕事慣れてきた?」という言葉。相手を気遣って声をかけているように思える言葉だが、実は定型文だとネットで話題になっている。
詳しく見ていこう。

●ハラスメントを警戒? 「慣れてきた?」はとても無難な言葉
 なぜ「仕事慣れてきた?」が定型文なのかというと、「特に話すことがないから」という説が有力。実際にネット上では、「仕事の話以外で聞けることはこれしかない」「他に話せることがマジで何もない」と多くの共感の声があがっている。
 確かに年の離れた新人に話を合わせるのは難しく、無理に話をしてみても相手は違和感を感じるだろう。特に最近は「休日の予定を聞いたり、恋愛の話をしたりするとハラスメントになりかねない」と考えてしまい、自由に話せない人が多いようだ。
 職場だけの関係でまだ付き合いも浅い場合、仕事の話は遠慮なく話せても、仕事以外の共通の話題はないことがほとんど。
いきなりプライベートの話を聞くわけにもいかず、多少は気を遣っておこうと考えた結果が「仕事慣れてきた?」のひと言なのかもしれない。ハラスメントを警戒するなら、まさに「無難な言葉」と言えるだろう。
●意思表示や教えを請うチャンスとの見方も
 最近は職場の人と無理に仲良くする必要はないと考える人も多く、「そもそも話しかける必要がない」「話しかけること自体嫌がられる」といった意見もある。新人側も「なんて答えたら良いんだろう?」「聞かれても困る」と真意を測りかねている様子。
 そんな状況に対し、「まぁまぁです」「少しは慣れてきました」といった無難な回答方法を勧める人も。さらに「“がんばってます!”という意思表示が大事」という意見や、「○○がうまくいかないんです」と教えを請うチャンスと捉える見方もある。

 また、「声を掛けてくれるのはメンバーとして認めてくれてる証拠」「話しかけてきてくれてるのは優しさ」「気にかけてくれてる」などと良い意味に受け取っている人も多い。新たなコミュニケーションを生むきっかけになるため、やはり何も話さないよりはひと言でも声をかけた方が良いようだ。
 「慣れてきた?」と声をかけるのは、久しぶりに会った友人に「最近どう?」と声をかけるのと同じかもしれない。あまり深く考えず、挨拶のようなものと考えれば気が楽になるのではないか。(フリーライター・井原亘)
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。
ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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