その富士フイルムが今度は、チェキフィルム専用のプリンター「instax mini Link 3」をリリース。9月5日に発売した。スマートフォン(スマホ)の専用アプリから印刷するプリンター、Linkシリーズの三代目だ。チェキのフィルムに「有機ELによる3色露光方式」で光を当てて印刷するというユニークな構造。要は、スマホで撮った写真がチェキで撮ったような雰囲気で印刷できるプリンター、というわけだ。正確にはプリンターというより、チェキフィルムへの露光装置といった方がいいかもしれない。仕様を見ると、驚くほど低スペックだ。画面サイズがチェキサイズの62mm×46mm、というところはいいとして、露光画素数はわずか800×600ドット。
4Kだ8Kだと超高画質な画像が溢れている昨今、チェキシリーズの写真は全く「異質な写真」と言っていいだろう。スマホの画面で見ると解像度が高くリアルな画像であっても、チェキフィルムに出力すると、低解像度ながら独特の味をもったアートのような雰囲気の写真が出てくる。全くもって現代のカメラに対するアンチテーゼのような存在だ。1994年にカシオが発売した「QV-10」は一般向けデジカメのはしりとして有名だ。画素数はわずか25万画素。以降しばらく、デジカメは、いかに画素数を増やしてフィルムカメラの画質に近付けるか、の競争だった。それが今や、フィルムの画質はとうに追い越し、1000万画素どころか、1億画素のセンサーがスマホに搭載されるような時代。そこに異を唱え、デジカメ草創期をも思い出させる存在がチェキなのだ。
チェキフィルム専用のプリンターinstax mini Link 3は、プリンターとしてはシンプルな製品。一方で特筆すべきは、スマホ用のアプリ「instax mini Link」だ。
チェキフィルムは決して安くない。通常サイズの1パック10枚入りの富士フイルムモール価格が税込み814円。なんと1枚81円もする高級品だ。
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