様々な業界で仕事中に聞こえてくる「テレコ」という言葉。普段から何気なく使っている人が多い一方で、ネット上には「ときどき耳にするけど、どういう意味なんだろう」「親がたまに使うテレコってどこかの方言?」などの声も寄せられている。
年齢や地域によって通じないこともあるテレコについて、意味や使い方を解説していこう。

関西方面で使われることが多い「テレコ」の意味とは?
(画像はイメージ)
●テレコは元々歌舞伎用語だった?
 テレコとは物事が逆になったり入れ違いになっている様子を指す言葉であり、たとえば「配線がテレコにならないよう注意して」「資料中の説明文と画像がテレコだよ」といったように使う。全国的に使用されている言葉ではあるが、特に関西地方で使う人が多いようだ。
 テレコはもともと、歌舞伎で2つの異なる筋を一幕ずつ交互に進めていく形態を指した用語だったが、一部の業界では今でも専門用語として使用。運送業であれば送り先をあべこべに送ってしまう誤配送のことを「テレコ出荷」と呼んでおり、個人情報の漏洩などにつながる事故として知られている。
 また映像業界でテレコといえば、一般的に知られるあべこべな様子だけでなく、2つの映像素材を交互に流す手法を指すことも。さらにファッション業界では、表目と裏目に凹凸の畝が同じ数だけ見えるようリブ編みにした生地を「テレコ生地」と呼んでいる。
 業界によって様々な使われ方があるテレコだが、一般的に使われることは減っているよう。若年層からは「テレコって言われてまったく分からなくて焦った」「一度も聞いたことがなかった」などの声があがっている。
 またテレコを知っている人からも、「場面によって若干意味が違うから気をつけなきゃ」「歌舞伎の業界用語だったとは知らなかった」などの声が。今まで意味がわからず口にしてこなかった人は、今日からでも使ってみてはいかがだろうか。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。
現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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