メールを開いてちょっと泣きそうになった。手書き風の文字で「卒業おめでとう!」とある。
卒業証書には、これまでの利用履歴が、mineoサイトに登場するキャラクターのイラストと共に並んでいる。加入年月日から始まり、利用期間、コミュニティーサイト「マイネ王」に初めてコメントを投稿した年月日と、当該メッセージのURLも。さらに、昼休み時間帯に通信を控える「ゆずるね」に協力した回数、当月余った通信量を共有する「フリータンク」を初めて利用した年月日なども並ぶ。この間活用した特典やmineoからプレゼントされたパケットの総量、さまざまなサービスの一覧なども示し、いかに得だったかをアピール。抜け目なく、再度mineoを利用する際に事務手数料が無料になるエントリーコードも掲載。最後にもう一度「卒業おめでとう!」。そして、「いつかまたお会いしましょう!!」。現代人にとって、ネットワークへの接続とそれに連なる様々な体験は、ある種のライフログそのもの。卒業という名の退会をきっかけに、その一端を凝縮して見せてくれたわけだ。
mineoのサービスは独特だ。例えば前述の「ゆずるね」。
また、通信容量の互助会ともいえる「フリータンク」も面白い。当月余らせた通信容量をフリータンクに入れることで、他の会員がその容量を使えるようになる、というもの。逆に月末に足らなくなったら、フリータンクから容量を頂くこともできる。
諸事情により、残念ながら今回退会することになったわけだが、「出戻り」も十分考えられる。卒業証書に現れているように、他に例がない、ユーザーサイドに立ったサービスがとても気に入っていた。しかもそれとなくおしゃれだ。単なる一人の通信インフラユーザーではなく、壮大な社会実験の参加者であるかのような楽しさもあった。次の乗り換えにあたって、競合他社と条件が同じなら、迷わずmineoを選ぶだろう。多少条件が劣っているぐらいでも、目をつぶってmineoを選ぶはずだ。
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送り主は、なんとMVNO事業者のmineo(マイネオ)だった。スマートフォンのメインSIMとして4年近く使っていた。7月に入って、とあるキャリアに乗り換えた。すべての手続きが終わった後、送られてきたのが、この「卒業証書」。mineoは一人の顧客を他キャリアに流出させた。小なりといえど、その分の売り上げも失った。本音でいえば嫌味の一つも言いたくなる場面。悠長に卒業祝いのメールなど送っている場合ではないはずだ。それでもなお「おめでとう」と祝福してみせる。退会者向けのこんなメール、見たことがない。この一通だけで「円満退会」のような気分にさせられる。舌を巻いた。
素晴らしいコミュニケーション力、マーケティング力だ。
卒業証書には、これまでの利用履歴が、mineoサイトに登場するキャラクターのイラストと共に並んでいる。加入年月日から始まり、利用期間、コミュニティーサイト「マイネ王」に初めてコメントを投稿した年月日と、当該メッセージのURLも。さらに、昼休み時間帯に通信を控える「ゆずるね」に協力した回数、当月余った通信量を共有する「フリータンク」を初めて利用した年月日なども並ぶ。この間活用した特典やmineoからプレゼントされたパケットの総量、さまざまなサービスの一覧なども示し、いかに得だったかをアピール。抜け目なく、再度mineoを利用する際に事務手数料が無料になるエントリーコードも掲載。最後にもう一度「卒業おめでとう!」。そして、「いつかまたお会いしましょう!!」。現代人にとって、ネットワークへの接続とそれに連なる様々な体験は、ある種のライフログそのもの。卒業という名の退会をきっかけに、その一端を凝縮して見せてくれたわけだ。
mineoのサービスは独特だ。例えば前述の「ゆずるね」。
あらゆるMVNOにとって、等しく頭痛の種になっているのが、混雑時間帯の速度低下だ。特にアクセスが集中する平日の12時から13時。昼休みの時間帯は、激遅になってしまうのが常だ。しかしmineoは「ゆずるね」という画期的なサービスを考案。混雑緩和に一役買っている。毎日、この時間帯の利用を控えると宣言し、実際に利用がなかった場合は特典をプレゼントする。5日達成で100MBのデータ容量、10日達成で深夜から早朝のパケット消費を、1か月間カウントしない「深夜フリー」などなど。特典欲しさにこの時間帯のアクセスを自然と控えるようになる。うまい仕組みだ。
また、通信容量の互助会ともいえる「フリータンク」も面白い。当月余らせた通信容量をフリータンクに入れることで、他の会員がその容量を使えるようになる、というもの。逆に月末に足らなくなったら、フリータンクから容量を頂くこともできる。
もちろん「ゆずるね」も「フリータンク」も付加的な利用料はかからない。こうした、他の通信事業者には見られないユニークなサービスがmineoの大きな特徴だ。コミュニティーサイト「マイネ王」も、自由奔放。mineoと競合するサービスの話題もタブーなく、かなりフラットに語られる。しかもレベルがとても高い。おそらくその道のプロも多く参加しているのだろう。
諸事情により、残念ながら今回退会することになったわけだが、「出戻り」も十分考えられる。卒業証書に現れているように、他に例がない、ユーザーサイドに立ったサービスがとても気に入っていた。しかもそれとなくおしゃれだ。単なる一人の通信インフラユーザーではなく、壮大な社会実験の参加者であるかのような楽しさもあった。次の乗り換えにあたって、競合他社と条件が同じなら、迷わずmineoを選ぶだろう。多少条件が劣っているぐらいでも、目をつぶってmineoを選ぶはずだ。
利用している時からそうだったが、サービスとは何か、差異化とは何かを気付かせてくれる存在がmineoだった。ありがとう。また会おう。(BCN・道越一郎)
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