女性の永遠のテーマである「若々しさ、美しさ」を、流行に翻弄されずに確実に自分のものにするにはどうしたら良いのでしょうか? この連載では、本質的に健やかで美しい女性であるための方法を、パーソナルトレーナーの三雅さんが、妙齢女子の体と心の在り方から見つめていきます。大好物のコラーゲンや女性ホルモンとの付き合い方などに触れながら、華麗に加齢に抵抗する術を授けます。



■自家発電できる女になれ

 とっくに残暑の季節に入っているはずなのに未だに真夏のようで、どうしちゃったんだ地球! という感じですよね。いかがお過ごしでしょうか。よりによって今年はこの暑さの中でもマスクをせねばならず、心身ともにぐったり、そろそろ夏にうんざり、コロナもうんざり、疲れもたまってきます。しかも外の暑さと切る暇のない冷房が効いた室内の温度差は、女子の体には過酷すぎ。それでも私たちは元気でいるしかなく、そうであるなら強くなるしかありません。健康とは強いということ、負けないということです。



 かつては「強い」という言葉は、女子にとってあまり良い印象がありませんでした。可愛げがない、怖い、引いてしまう、そんな感じです。でも今は違います。女子は強くなってください。それは健康であり、美しさ、優しさです。



 そんな美しい強さを持つ女子になるために、これだけはやって欲しい筋トレがあります。

女子にやって欲しいNO.1筋トレ、それは『正しい腹筋』。
 筋トレは数え切れないほど種類があるので、好きな人は好きなだけやればいいです。でもそうじゃない人は、他の全ての筋トレを捨てたとしても、これだけはやるものなのだ、そう諦めて欲しいくらいに、重要な筋肉を育て、女子の体を良くする筋トレなのです。



 まずは知ってください。女子の体を良くするには「女子の神4」を揃えていく必要があります。



『女子の神4』
①お腹の中を温かくする
②内臓を引き上げる
③骨盤を柔らかくする
④自律神経を良くする



 女子の皆さん、女性としての自分の体を良くするためには、この4つをやるんですよ。子宮や卵巣、生理が良くなります。そしてこの神4のうちの3つに、女子にやって欲しいNO.1筋トレ『正しい腹筋』が関わります。



神4①お腹の中を温かくする
子宮卵巣を含めた内臓を温かくすること。生理痛、子宮筋腫を作ってしまった主な原因はお腹の中の冷えです。他の子宮卵巣疾患の症状を強くしているのも冷えです。だから元気で良い婦人科であるためにはお腹の中が温かいことが必須で、しかも「自家発電できる女になること」が大事。


鍛えられていつも使っている筋肉は熱を発します。だから内臓を取り囲んで、内臓と密着している一番深い腹筋を鍛えると、常にアツアツと自家発電して、お腹の中がいつも温かい人になります。



神4②内臓を引き上げる
内臓を引き上げて下垂させない。内臓が下垂すると女子の体は悪くなります。ただでさえ、こぶし大サイズ程しかない子宮の上に、何メートルもの腸や他の内臓が重たく乗っかれば、当然、小さな子宮卵巣は苦しく、血流が悪くなり冷えて硬くなります。でも残念なことに多くの女子の内臓は、骨盤の傾きが悪かったり、腹筋が弱いために下垂しています。だから内臓を押さえつけて下垂させない、深い腹筋の力が必要です。



神4③骨盤を柔らかくする
リズムに合わせた骨盤の開閉ができること。骨盤は3つのリズムに合わせて開閉をしています。ところがほとんどの女子の骨盤はカチカチなためにその開閉がうまくできず、生理や子宮卵巣、自律神経を悪くしています(詳細は第3回記事)。
骨盤をうまく開閉させるためには、まず骨盤が柔らかくあり、歪んでいてはダメで(骨盤を柔らかくして歪みも解消する方法は後述します)、そしてその歪みのない骨盤をキープする深い腹筋の力が必要です。



■女子は骨盤が柔らかくなければ始まらない

 この①②③はみな同じ、4層ある腹筋の1層目『腹横筋』の力。

しかもお腹をペタンコにするのも、お通じを良くするのも、この腹横筋です。



 女子の神4のうちの3つ、ペタンコお腹、お通じ、こんなに女子の悩みを解決する筋肉が他にあります? ないでしょー。だから『正しい腹筋』。これだけはやりましょう。(*他の腹筋運動は正しくないという意味ではなく、この腹筋運動を「正しい腹筋」と私が名付けただけです)



女子にやって欲しいNO.1筋トレの画像はこちら >>



 見た目は普通の腹筋運動。何も考えずにいつも通りにやると、おヘソの上の表面の筋肉に効いてきます。これは腹直筋(シックスパック)。



 でもいくらこのシックスパックを鍛えてもカッコイイかもしれないが、一番表面の筋肉なので、前述の①②③+ペタンコお腹+快便をする力としては弱いです。闇雲に腹筋したところで、だいたいみんなこのシックスパックばかり鍛えてしまう。鍛えるのは悪くないけど、何度も言うように、女子の体を良くする力は弱い。



 おヘソより下の位置に、お腹をぐるっと囲っている「筒」をイメージしてください。その筒は一番深い腹筋で内臓と密着している腹横筋。

見た目はいつも通りに腹筋運動をやるのだけど、表面の筋肉を使うのではなく、腹横筋の筒を内臓ごとギューッと潰すようにやる。ヒトはイメージ1つで使う筋肉を変えることができるのです。



 息を吸って、吐きながらギューッと筒を潰して10秒キープ。それを5セット。やってみてください。5セットもやると、下腹部の中心が点火してアツアツしてきます。それが自家発電。大成功です。女子にやって欲しいNO.1筋トレを練習して、「自家発電できる女」になってくださいね。



 前述した、骨盤を柔らかくして歪みも解消する方法です。このエクササイズは第三回記事にも紹介しているのですが、女子にとって本当に大事なので改めて紹介します。



 骨盤リセット(腰回し)のやり方





 足を肩幅に開き、中心軸をイメージして、頭の位置と上半身を動かさないよう「腰だけ」を回します。

手を胸の脇に置くと上半身を安定させやすいです。骨盤の表面の力でサラサラと腰を回すのではなく、下腹部の中心部を意識して、セメントのような重たいものを腰でかき混ぜるようなイメージで回すのがコツ。くっ、とお腹に力が入り、しっかりと腰だけを回せます。



 右まわし10回、左まわし10回で1セット。まずは骨盤を柔らかくすることが本当に大事なので、1日に何度でも回してくださいね。生理痛が良くなったり、出し切れていなかった経血や塊が出せるようにもなりますよ。



 さて、おかげさまで第27回まできましたこの連載は、今回で終了となります。今までご愛顧いただきまして本当にありがとうございました。



 女子の健康と幸せは、生理や子宮卵巣などの婦人科を良くしないことにはあり得ません。悪い生理は自分で治すことができるし、子宮卵巣疾患の症状を軽減することもできます。どうしたって生きていれば苦しいこともあるのが人生。でも自分を諦めたら終わりです。

がんばらなくていい、そんな言葉も横行したけれど、「休むことを学んでがんばること」、こっちが本質だと私は思います。今の自分にできることをがんばりましょうね。これから私はさらに健やかに、幸せに、楽しく生きていきます。そこに制限はありません。だからぜひあなたも、どんどん健康になり、好きなだけ綺麗になり、無限に幸せになってください。心も体も健康な、真に美しい人、真に幸せな人になっていきましょうね。



 ご愛読を本当にありがとうございました。



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