暑中見舞い、残暑見舞いは夏の年中行事とも関連の深い、日本ならではの美しい慣習。Q&Aで適切なマナーを心得て、お世話になった恩師やしばらく会っていない友人などへ、季節の挨拶を送ろう。



Q1. 暑中お見舞いと残暑お見舞いの違いって何?

A. 出す時期によって変わる



両者の違いは〝送る時期〞。境目となるのは季節の移ろいを24に区切った日本古来の暦、〝二十四節気〞の立秋で、暑中見舞いは小暑(7月7日頃)~立秋の前日(8月7日頃)、残暑見舞いは以降の8月8日頃~処暑の候(9月7日頃)に出すのが一般的。





Q2. 誰に送ればいいの?

A. 誰に送ってもOK!

暑中見舞い、残暑見舞いともに送る相手の明確な基準はなく、基本的には自由。たとえば日頃お世話になっている人、郷里の恩師、後輩、なかなか会えない友人や知人、または仕事の顧客など、親しみを込めて連絡したい、と思う相手に送ろう。





Q3. 書き方に決まりはあるの?

A. 結語・頭語はつけない

暑中見舞い・残暑見舞いの基本的な形式は挨拶、本文、日付の3要素。冒頭は「暑中(残暑)お見舞申しあげます」から入り、相手の近況を気遣い、また自分の近況も伝える本文、末尾は締めの言葉とともに令和○年盛夏(晩夏)など、送付時期を示す言葉を添える。「拝啓」「敬具」などの頭語・結語はつけない。





Q4. 返信の際に気をつけることは?

A. 返信を出す時期にも気をつけよう

書き方は一方的でなく、相手の文面に丁寧に答えるような内容に。基本的には暑中見舞い、残暑見舞いともに受け取ったら早めに返信を出すのがマナー。時期にもよるが、暑中見舞いには暑中見舞い、残暑見舞いには残暑見舞いで返信をすることが望ましい。





Q5. 出す時期が過ぎた時はどうすればいいの?

A. 時期が過ぎても返信はすべき

暑中・残暑見舞いを出しそびれ、〝処暑の候〞を過ぎた場合は、通常の音信として手紙を出す方法も。また暑中見舞い、残暑見舞いを受け取ったら必ず返信するのが礼儀。

こちらも処暑の候までに出すのが望ましいが、過ぎてしまった場合でも通常の手紙としてお礼の言葉を添えて送ろう。





Q6. 喪中の方に送ってはいけない?

A. 問題はない

暑中見舞い・残暑見舞いは年賀状と異なり、何かを祝うためのものではなく、相手を慮り、厳しい暑さのなかでの暮らしを見舞うものなので喪中の人に送っても大丈夫。ただ、暑中見舞いの時期に四十九日だった場合は残暑見舞いにするのが無難。





Q7. 気をつけるべき表現はある?

A. 自分のことばかり書くのはNG

暑中見舞いも残暑見舞いも、基本は相手の様子を気遣うもの。相手が健やかに暮らせているかを主眼にしたうえで、自分の近況なども押し付けがましくない程度に伝えるのが望ましい。これといって決まったタブーはないが、受け取った人が明るく、気持ちよくなるような内容・文面を心がけたい。





一個人2021年夏号より抜粋)

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