■バカメディアが出した数字に踊るバカ



 小泉純一郎、菅直人ら5人の首相経験者が、東京電力福島第1原発事故の影響で福島県で多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいるとの書簡をEU欧州委員会に送った問題で、日本維新の会が、風評の払拭に向けた情報発信を政府に求める国会決議を行うよう、自民、立憲民主に申し入れた。



 これに関し「夕刊フジ」は緊急アンケートを実施。

アンケートは18日午前10時から午後10時まで、夕刊フジの公式サイトzakzakで行い、回答者は564人。



《質問》元首相5人が「原発事故の影響で福島の子供たちに健康被害が生じた」とする書簡をEUの欧州委員会に送った問題で、日本維新の会が5人への国会非難決議を他党に呼びかけています。皆さんはどう考えますか。





非難決議すべき 93・8%



決議は必要ない 4・4%



分からない・その他 1・8%





 脱力するよね。頭が悪すぎる。国会非難決議に賛成とか反対とかそれ以前の話。これは「夕刊フジ」のサイトを見た人間のさらに一部の反応にすぎない。当たり前の話だが、統計学的な手法を用いていないもの、つまり、標本が無作為抽出(ランダム・サンプリング)でなければゴミと同じ。そもそもネットでは無作為抽出ができないので93・8%という数字はまったく意味がない。これ中学生でもわかるような話だけど、フジサンケイってどこまで劣化するんですかね。



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 この調査結果について維新の馬場伸幸は「元首相5人と比べ、国民の方が東北の皆さんの心に寄り添っていることが証明された。一刻も早く、全会一致で非難決議ができるようにしたい」と語ったという。

「証明された」らしい。



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 メディアの劣化が著しい。先日は《3歳児の腕つかみ「全財産よこせ」23歳男を逮捕》(ANNニュース)という見出しの記事を見かけた。よく読めば、23歳の男が3歳の女の子の腕をつかんで母親から引き離し「子どもの命、奪われたくなかったら全財産をよこせ」と脅したという話。見出しもまともに書くことができないバカが、メディアに食い込んでいる。



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 大阪ではタレントのほんこんがウクライナ情勢を語っているらしい。畑違いにも限度がある。藤井聡や三浦瑠麗がコロナを語るようなものか。メディアが反省する日はやってくるのか。



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「世界の橋渡し役」などと安倍晋三をヨイショしてきたNHKの岩田明子記者に対し、安倍の外交能力がすごいなら、ウクライナ情勢でなぜ動かないのかとネットでツッコミが入っていた。安倍にできるのはせいぜい渡し箸。あとは握り箸とねぶり箸くらいか。

食事のマナーの悪さでは世界トップレベル。



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 NHKが昨年12月26日に放送、30日に再放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」後編に字幕の捏造があった件。NHKは番組に登場した男性について「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とテロップで紹介したが、「字幕内容は誤りで、チェック機能が働かず、ずさんな対応だった」とする調査報告を公表した。番組を制作した大阪拠点放送局の30代のディレクターと40代のチーフ・プロデューサーが停職1か月、50代の専任部長が出勤停止14日の処分を受けたが、要するにトカゲの尻尾切り。この件は取材の甘さでも、字幕作成のミスでもなく、上層部が絡んだ決め打ちのプロパガンダの可能性が極めて高い。「ずさんな対応」という説明で済む話でもない。真実を明らかにしないNHKの姿勢こそが「ずさん」なのだ。





■西田昌司、野田聖子、ずさんな人たち



 大阪市では約2万2000人の新型コロナウイルス感染者の入力遅れが発生。入力体制強化のため、個人情報の入力など一部の業務を外部業者に委託したが、市議会で、契約書や委託金額の見積書、指示書などが交わされていないことが発覚。委託金は9650万円で、金額の妥当性も確認できていないとのこと。ずさんにも程がある。



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 自民党京都府連が国政選挙の前に候補者から寄付を集め、府議や京都市議にカネを配っていた選挙買収問題に関し、『文藝春秋』は、京都府連元事務局長が作成した《引継書》を公開。

「マネーロンダリング(資金洗浄)」と記されていたことも報じた。



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 この選挙買収のスキームを作ったとされる京都府連会長の西田昌司は、自分のYouTubeチャンネルで「事実無根」と繰り返しただけ。「自由法曹団京都支部」に所属する弁護士らは、西田らを公選法違反(買収)の疑いで京都地検に刑事告発するという。



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 西田の仕事は安倍の腰巾着だったけど、顔はイソギンチャクだよね。



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 立憲民主の菅直人が維新の馬場の国会事務所を訪問し、「維新は大阪へのカジノ誘致を強力に進めていると認識しています。まずその通りであるか確認させてください。日本維新の会として東京へのカジノ誘致に賛成か反対かを明確にしていただきたい」とする質問状を手渡したという。現在維新は全方位に難癖をつけ、パニック状態になっているが、そこに突っ込んでいく菅直人。面白過ぎる。



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 竹内まりやが歌手の河合奈保子のために書いた「けんかをやめて」という曲があった。「けんかをやめて~ 二人をとめて~♪」



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 ちなみに「駅」は中森明菜に提供した曲。先日、《竹内まりやの「駅」はいわく付きの作品 デモテープを聴いて…中森明菜「私なんかが歌うよりもうまい」》というネット記事を読んだ。



 中森がアルバムの収録曲を選んでいるときに、竹内の「駅」を聞き、「これってデモ(テープ)なの? もう完璧じゃない。これ以上のものって、何があるの?」とつぶやいたらしい。それで、竹内を超えることができないなら、違う世界観を持った「駅」にしようとしたと。これは昔からある話だが、歌詞の「今になってあなたの気持ち 初めてわかるの 痛いほど 私だけ愛してたことも」の部分。男が私だけを愛していたのか、私が男だけを愛していたのか、まったく逆の解釈が成り立つが、単に歌詞がずさんなだけだったのかもしれない。



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 自民党の野田聖子の夫・野田文信氏が、過去に暴力団組員だったなどと報じた「週刊文春」の記事は事実無根で名誉を傷つけられたとして、発行元の文藝春秋に損害賠償を求めた件。東京高等裁判所は報道を「真実である」とする判決を下した。「私は夫を信じている。身に覚えのないことを面白おかしくやられた」と発言していた聖子は、判決に対する見解を求められると「訴訟の当事者ではないので、回答する立場にありません」だって。ずさんだねえ。





文:適菜収

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