◾️AIの活用で教育産業は大きな格差が生まれる!?

 



 4月4日、予備校講師でタレントの林修先生が、都内で行われた『KKCompany Japan』の新製品発表会に登場した。



 台湾、シンガポール、香港、マレーシア、そして日本と、アジア太平洋圏に事業拠点を持つグローバルメディア&テクノロジー企業グループKKCompany Technologies Inc. 。

その日本法人が、マルチメディア対応AI プラットフォーム「BlendVision AiM」(ブレンドビジョン・エイム)のブランドアンバサダーに林修先生を起用した。



  それに合わせ、TVCM「オンライン会議」篇、および「研修動画」篇を4月4日(木)より全国で順次放映開始。〝今までのオンライン会議・研修動画の使い方が劇的に変わる〟という触れ込みで、林修先生が社内会議問題を次々解決していくというもの。



  「BlendVision AiM」は、これまで長年にわたり動画配信事業者や一般企業向けに提供してきた動画配信サービスで培った動画技術、そしてAI 活用技術を融合させたマルチメディア対応AI プラットフォームとして注目されている。従来のLLM(大規模言語モデル)のようにAI が得意としてきたテキスト情報だけではなく、動画情報を含めたあらゆる情報資産の効率的な活用を可能となったという。



 



「BlendVision AiM」の特徴とは



  • 文書ファイルだけでなく、今までAI が扱うのが難しかった動画ファイルや音声データを含めてAI で探し、取り纏めが可能
  • 3ステップで設定可能
  • 動画ファイルの文字起こし
  • 必要情報の抽出、要約、議事録作成、またそれらに関連・該当する動画部分の提示

 



「BlendVision AiM」が、教育の現場では実際にどのように役立てそうかを聞かれて林先生は予備校の現場を次のように答えた。



「同業の代々木ゼミナールさんに先に使われちゃいましたから、もう既に役に立つと言われてその通りだなと。教育の世界というのは、この後いろんな批判も来るかもしれませんが、非常に遅れているところが多いんです。勘と経験でいろんなことが指導されている。例えば何年分入試問題を勉強しなさいって、10年やったらいいとか、なんの根拠もないんですよ。特にエビデンスのない世界なので、そこをビッグデータを活用して実際にこれだけのこと、こういうことが過去にあり、そして今生徒はこれだけの学力しかないから、だから、これを補っていけばその子の志望が叶うよっていうようなことを、本当にAIを活用して分析してそれを提案する。うちの東進はもうすでに始めているんですけど、AIを活用していくこと、これからの教育において本当に必要な、また今まで以上の効果を望める教育が実現できるんじゃないか。

AIの活用の仕方によって、教育産業のうまくいくところとそうじゃないところの差も生まれるんじゃないか、と僕は思っております。特に動画配信、動画で授業を行いますので、検索機能がついたっていうのは非常にありがたい話ですね」



林修先生が語る「AI活用で人間の仕事はどう変わるか?」「AI...の画像はこちら >>



 



◾️AIの活用で人間の仕事はどう変わっていくか?

 



 新CMがお披露目されると、これからは俳優業もやるのか?と聞かれた林先生は「いやいや、選挙とドラマと同窓会には出ないと強く言ってるんです」とコメント。



 メディア分野では、AIの活用というのは今後どういった可能性があるのだろうか?



 「テレビ業界の人たちは、こういう技術がどう使われるかというのをよく分かっていない方も結構多いのかなというのは率直な印象ですね。いろんなメディアをメディアミックスでいろんな形での融合が可能ならこういう企画もできるんじゃないかとか、この技術が生まれたことによって発想も変わって、例えばテレビとネットに融合した企画であるとか、私は専門じゃないので本当に申し訳にくいんですけれども、今までできなかったからチャレンジもしなかったような形での発信ができてくるんじゃないかと思います。柔軟な発想で活用していける若い優秀な人たちがたくさん出てきていると思うんですけどね。根本的なメディアのあり方自体もさらに変わっていくんだろうなと思います」と語った。



 AIが発達しても人の代わりになれないと思うことはあるか?と聞かれると、「本当に人間に何が残るのかっていうのは、いろんな学者が議論しているところでもあるんですけど、一方で今人手不足と言われてるんですよね。ですから、AIによっていろんなことができるようになると、人間のやること自体が逆に増えるので、結果的に人間がやらなきゃいけない仕事はむしろ増えるんだという考え方もあります。その中で人間だけができることってなかなか難しいんですけれども、僕は知識不足なのかもしれませんが、1あるものを1.5とか2にしていく能力っていうのは、AIはやっぱり素晴らしいと思うんですね。しかし、ないものつまり0から1に持ってくること。これは人間の中でもできる人は少ないなと思いますけど、その部分がAIにいつ奪われるか? 当分は大丈夫じゃないかなと、今じゃないんじゃないか、まだでしょ!と希望的観測も含めと思っております」と語った。



林修先生が語る「AI活用で人間の仕事はどう変わるか?」「AIが発達しても人の代わりになれないものとは?」
林修先生



 



◾️ AIで一番影響を受ける教科はあるのか?

 



さらにAIで一番影響を受ける教科については次のように述べた。



「実際はあんまり科目の差はないと思います。『あの話どこでしたっけ? どこで説明したっけ?』って、教えるほうもそこすぐ分かったらすごく助かりますね。生徒に何か見せるときにこの子の読み間違ってるのはここだったから、どれをどうやって学べば良いかっていうのも、検索ができれば楽にはなるんでしょう。多分科目の差はそれほどないんじゃないかな。個人的には、『あのネタどこで使ったっけ?』というのがすぐに知りたい。だって生徒に同じネタ2回聞かれたくないじゃないですか(笑)。

これは僕の個人的な使用法ですけど。全体として効率的にはなっていくと思います。実際に探してもう一回、そこを確認したいと思ってどこで言ったか分かんなくて諦めたこと、何回もあるんですよ(笑)。本当にこれがあったら助かったなと思います」



  最後に林先生は次のように語った。



「こういう予備校以外の仕事を11年させていただく中で、前よりは自分の意見を言うようになっておりまして、率直に申し上げて、自分が納得いかないものの宣伝はもうしたくはない、というのがあります。先ほどから申し上げたように、この技術があったら、より自分の仕事が便利になる。

生徒にも使わせたいなと思うようなお仕事で、オファーをいただきました。これはこういう素晴らしいものを、世に知らせられるようにお役に立てるのであれば、そこで白羽の矢が立ったのであれば、その期待に応えたいという思いです。そういう次第で、実際に詳しいことをさらに聞いていくと、本当にうちの予備校にもぜひ入れてほしいな、と思ったので、自信を持って世間の方にもおすすめできる。そういう確信を持って今ここにおります」



 



取材・撮影:BEST TIMES編集部