女優・岩下志麻さんの夫、映画監督・篠田正浩氏に訃報。二人三脚で幾多の山乗り越え
▲篠田正浩氏 画像（1枚）

　映画監督の篠田正浩氏が25日に肺炎のためなくなっていたことが27日、分かった。94歳。

自ら設立した株式会社・表現社が同日、発表した。すでに葬儀は家族葬で執り行われ後日、お別れの会を行う予定。発表文書では「これまで、篠田の映画製作を支えてくださった方々、また映画を愛してくださったみなさまに改めて心より感謝申し上げます」とつづられていた。



　篠田氏は岐阜県出身。早稲田大学卒業後、1953年に松竹に助監督として入り、60年に入社した岩下志麻(84)を監督2作目「乾いた湖」のヒロインに起用。66年にフリーとなり、同年に結婚した女優の岩下とともに、独立プロ「表現社」を67年に設立した。“職場結婚”やほぼ同時期の独立に対し、周囲から大きな反対があったが、二人三脚で乗り越え、「心中天網島」「はなれ瞽女（ごぜ）おりん」など映画史にさん然と輝く傑作を岩下とのコンビで生みだした。



　その後も「鑓の権三」「少年時代」「瀬戸内少年野球団」「写楽」などを手がけ、03年の「スパイ・ゾルゲ」を最後に映画監督業から引退した。「監督としてラッキーだったのは岩下志麻と出会えたこと」と語るなど、夫婦の信頼は揺らがなかった。ちなみに、早大在学中は箱根駅伝を走ったスポーツマンだった。



文：BEST T!MES編集部

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