沖縄北部に突如出現した“ジャングルの楽園”――それが「ジャングリア」だ。しかし、その開業直後から不穏な空気がネット上を覆い尽くしている。
SNSでは「地獄の待ち時間」「外国人に冷たい対応」「プレミアムチケットでも並ばされる」など、星1レビューが殺到。Googleマップの口コミ欄は“阿鼻叫喚の地”と化した。そして、突如としてそのレビューが一斉に消えたのである。
■口コミ削除の黒幕は誰だ? CEOは「AIのせい」に責任転嫁
7月31日、日経クロストレンドの登壇に現れたジャングリア運営元・刀のCEO、森岡毅氏がついに口を開いた。しかし、世間の期待とは裏腹に、そこにあったのは“逆ギレ”にも近い開き直りだった。
「うちは削除なんてできるわけがない。GoogleのAIが勝手に止めたんです」
この“AIのせい”発言が火に油を注いだ。ネットでは《また責任逃れか》《企業トップの発言とは思えない》《本当にAIだけの問題か?》との怒りの声が噴出している。
■「足を引っ張る奴らの攻撃」発言が火に油
さらに森岡氏は、ネガティブなレビューについて次のように言及した。
「体験していない人たちの“攻撃”がレビューを悪化させている」
この発言に、多くの来場者が激怒。「自分は実際に行って苦情を言っているのに、“来ていない人”扱いか?」と、怒りの声が多数投稿されている。
これに対して森岡氏は「初日来園者には無期限招待券を配る」と述べたが、「問題の本質はそこじゃない」という批判が収まらない(言うまでもないが台風でほとんどのアトラクションとスパを体験できなかった著者含めた2日目の来場者には一切の保障がない)。
■オープン初日からシステム障害、雷雨、台風のフルコンボ
ジャングリアは、開業初日からシステム障害、整理券発券トラブル、そして雷雨に見舞われ、少なくとも2日間にわたり(特に不便な状況が続いたのは4日間、その後もプレミアムパスを考慮すると1人が少なくとも1回のアトラクションに乗れる人数が回転率から2000人程度であるのに対して5000人~1万人を入れる計画で作られているため、そもそも構造的に)来場者の多くがアトラクションを体験できなかった。
森岡氏は「雷は人が死ぬ」と語り、避難判断の正当性を強調したが、問題は“備えがなさすぎる”ことだ。沖縄の天候を「4%しか雨が降らない」として油断していたという発言に対しては、「観光地ビジネスのプロがその程度の想定しかしていないのか」と驚きと落胆の声が上がっている。
■「敵は外にいない。すべてパーク内の課題」…ならば今すぐトップ交代を!
森岡氏は講演の中で「敵は外にいない。すべては我々パーク側の課題だ」と語った。ならば、その“課題の中心人物”たる自分自身の責任をどう捉えているのか。
オープン初日から混乱、レビュー削除疑惑、強制避難、システム崩壊――これほどの大混乱を引き起こしたジャングリア運営に対して、いま問われているのは「AIのせい」にすることではない。人間として、経営者として、どう責任を取るのかという一点である。
■“テーマパーク界の新星”は、すでに沈没寸前か!?
SNS上では「IR誘致のための失敗前提シナリオでは?」「初期集客失敗で赤字計上→土地活用へ?」といった陰謀論すら囁かれ始めている。
果たして、ジャングリアは“夢の楽園”となるのか、それとも“税金の墓場”として記憶されるのか――。
今、全国の投資家・観光客が固唾を呑んで見守っている。
文:林直人