【現地調査なしの“机上の空論”!?】森岡毅CEO、ジャングリ...の画像はこちら >>



 



 沖縄北部の森に突如姿を現した“幻の楽園”――その名は「ジャングリア」。総工費700億円。

構想から数年をかけて華々しく開業したこの巨大テーマパークだが、初日から“阿鼻叫喚”のレビューがSNSを席巻。交通難・雷雨・システム崩壊・外国人対応ゼロ……数々のトラブルを尻目に、プロジェクトの顔・森岡毅CEOは、なぜか高らかに「構想の勝利」を語っていた。



 



■沖縄を知らなかった男が語る「南国幻想」



 インタビュー冒頭から森岡氏はこう語る。



 「沖縄は海だけじゃない。森もある。だから“二刀流”で攻めたいと思ったんです」



 耳を疑う発言だ。観光業関係者でなくともわかる通り、沖縄北部の“やんばる”地域はアクセスの悪さ・宿泊地の乏しさ・自然保護の制約など、観光開発における最難関地帯。その土地に突如テーマパークをぶち込むという時点で、「地元無視の中央集権的プロジェクト」との批判は免れない。



 



■「自然が最高の贅沢」と言いながらアスファルトを敷き詰める矛盾



 森岡氏は語る。 



 「本物の贅沢とは、銀座の高級料理じゃなくて“沖縄の自然”なんです」



 だが、蓋を開ければジャングリアはコンクリートで固めた人工環境。気温35度の沖縄で「並ばせる」「冷房少ない」「水分持ち込み制限」と、熱中症の巣窟と化したアトラクションに「自然との調和」などどこにもない。



 「この空と景観が贅沢なんです」などと語る森岡氏の言葉は、現地を歩いた来場者の汗と怒声の前では空虚でしかない。



 



■「バンジーで非日常体験」? それ、東京でもできますが…



 彼は言う。



 「非日常体験としてバンジーを設けました。旅の解放感を刺激するんです」



 しかし「わざわざ沖縄まで来て、暑い中2時間並んで、ようやくできるのがバンジー」――それが“最高の贅沢体験”と言えるのか? 都内にも体験施設はあり、待ち時間ゼロで楽しめる。これでは「場所の浪費」でしかない。



 



■「初年度は国内重視」も現実は外国人排除



 森岡氏はこう語る。



  「1~2年目は国内中心。徐々にインバウンドが増えると思っている」



 だが、実際には「英語表記ゼロ」「スタッフが英語を理解しない」「説明がすべて日本語」と、外国人排除の地雷原と化していた。



 事前に予見されていたインバウンド需要にすら対応できていないにも関わらず、「将来インバウンドで勝つ」と語る姿は、まさに“虚飾の勝利宣言”に他ならない。



 



■「北部は300万人来てる」→その理由は“水族館”。ジャングリアではない



 森岡氏は交通アクセスの悪さをこう弁明する。



  「美ら海水族館には毎年来場300~400万人が訪れる。その途中にジャングリアがあるから問題ない」



 だが来場者の実態は違う。

多くの観光客は那覇~本部(美ら海水族館)を日帰りで完結させる。そこに「+ジャングリア」の選択肢は存在しない。



 実際、Trip.comなどにおけるレビューでは「2時間の道中をかけて失望した」「交通費と時間の無駄」と酷評の嵐だ。



 



■“ジャングリア前提”で進む高速延伸と税金投入の危うさ



 森岡氏はさらっと語る。



  「ジャングリア開業がきっかけで名護東道路の延伸が加速している」



 これは看過できない発言だ。



 つまり、ジャングリアありきで国がインフラ予算を前倒ししているということ。しかも年間来場者100万人にも届かない可能性のある事業に、国土交通省のリソースが流れているのである。



 これは“公共インフラを民間プロジェクトのためにねじ曲げる”という、極めて深刻な統治の歪みではないか。



【現地調査なしの“机上の空論”!?】森岡毅CEO、ジャングリア開業インタビューが「夢語りだけ」で終わった決定的証拠【林直人】
ジャングリア沖縄



 



■結論:これは「南国の夢」ではない。「中央の虚栄」だ



 森岡氏の語るビジョンは、確かに美しい。だが、それは「暑さ・交通・英語対応・価格・運営不備」といった地獄の現実とあまりにも乖離している。



 森岡氏は「完成してはならない。

それがテーマパークの本質」と言った。



 だが今、必要なのは“未完成の美学”ではない。“現場の地獄”への責任である。





文:林直人

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