女性の永遠のテーマである「若々しさ、美しさ」を、流行に翻弄されずに確実に自分のものにするにはどうしたら良いのでしょうか? この連載では、本質的に健やかで美しい女性であるための方法を、パーソナルトレーナーの三雅さんが、妙齢女子の体と心の在り方から見つめていきます。大好物のコラーゲンや女性ホルモンとの付き合い方などに触れながら、華麗に加齢に抵抗する術を授けます。
■若返りホルモンとズバ抜けた抗酸化力のかけ算で圧倒的に美人化する

 いよいよ夏本番ですね。いかがお過ごしでしょうか。ついに来年は東京オリンピックですが、チケットは当たりましたか? 私は見事に全てハズレて涙で枕を濡らしました。

 オリンピックといえば、試合に向かう時の気迫や形相に「野獣」の異名を持つ、ロンドンオリンピック柔道金メダリストの松本薫さんのお話が興味深いです。彼女は試合に向け数ヶ月前から、意図的に自ら「野獣スイッチ」を入れていくそうで、水を飲む所作1つから生活の全てにおいて、鋭く強い男性になり切って行動をするそうです。そしてすごいのが、実際に生理が止まること。

 生理は体脂肪率10%を切ると止まるもので(性ホルモンはコレステロールから作られている)、マラソン女子選手などは問題になっていますが、松本薫さんの体脂肪率はそこまで低くはないと思うのです。だとすれば完全に彼女は、男になるという自分のマインドで生理を止めてしまっています。その証拠に試合が終わると生理が来るとのこと。

 それは裏を返せば、妙齢女子であっても、生理を卒業していても、いつまでも瑞々しい女性である意識と行動をしていれば、体内では女性としての働きが活性化されるとも言えませんか。実際に女性ホルモンがゼロになることはなく、閉経後でも副腎から分泌されている別名マザーホルモンとも言われるDHEAホルモンが、女性ホルモンに変換されてその働きを担います。しかもDHEAは年齢関係なく運動をすることで増えて元気になります。

私たちはいくらでも女子であり続けることはできると思うのです。だからやっぱり意識が大事。

 ちなみに松本薫さんは2年前に出産をしたら、どうしても母性が出てしまい、今年2月に引退をしたそうです。それも幸せですよね。愛しい我が子と向き合っていたら野獣にはなれません。ヒトは素直なのです。いつも言うように、女をやめないと誓い、ずっと可愛いらしい大人をやりましょうね。

 それでそんな瑞々しい女性であるためには、骨盤、子宮、卵巣、膣、を「温かく、柔らかく、潤す」ことが大事なことと、その方法をこれまでにお伝えしてきました。ぜひバックナンバーを読んでみてくださいね。骨盤などを温かく柔らかくすることで、多くの女性が冷えて硬くカサカサになっている膣も潤います。その潤いをもたらす粘液は成長ホルモンが作っているので、今日はその成長ホルモンのお話です。

 つい私たちは女性ホルモンを欲しがってしまうのですが、それ以前に、いかに新陳代謝を良くして新鮮でプルプルな細胞の数を増やせるかが大事で、その働きをしているのが成長ホルモンです。

しかも膣の粘液も作り女性機能を上げていく成長ホルモンは、まさしく「キングオブ若返りホルモン」。その上、筋トレをした時も成長ホルモンは分泌され、体脂肪を6時間も燃焼し続けてくれるすごいホルモンです。(これらもすべて過去の記事に詳しく書いてあります)

 いつまでも健康で若々しく美しくあるには、いかに成長ホルモンを活用できるかが要になります。そしてその成長ホルモンの70%は睡眠時に分泌されるので、どれだけ良い睡眠ができるかがとても重要です。そのためには睡眠ホルモン「メラトニン」を上手に分泌させることが大事で、それによって成長ホルモンの分泌量をマックスまで増やせて、最強の若返り美人化、ができるのです。

 少し難しくなってきましたね。でも大丈夫です。睡眠ホルモン「メラトニン」の持つ力を知ると、女子ならばその凄さにワクワクしてしまい、難しいとかそんなことよりも、メラトニン出すぞー!とやる気が出てきますよ。

 メラトニンの働きはたくさんあります。免疫力UP、糖や脂肪代謝を促す、脳を守る、精神を守る、抗ストレスなど、どれも健康と美容には欠かせない大事な働きです。さらに何より凄いのは、老化の原因である「酸化」を食い止める力が、体内物質の中でズバ抜けてNO.1で、強力な抗酸化能力があります。全ての病気は活性酸素が細胞を壊すことから始まるとも言われていますが、この「活性酸素の働きを抑える力=抗酸化能力」がハンパないのです。

メラトニンをしっかり活用できることは、圧倒的に老化と病気を遠ざけ、さらには成長ホルモンを最大限に分泌させて「若々しく美しく」を実現させます。

 しかもこれ、サプリや薬ではなく自前のホルモンです。年齢関係なく、日々の意識でたくさん分泌させて、働きを活性化させられるのです。何歳の自分にでもそんな力があるなんて嬉しいですよね。次回以降にその上手な分泌方法などを紹介していきますね。

■骨盤の傾きを正すとお腹もへこむ

 さて、今回の「今日からできる小さくても確実なこと」は「骨盤を正す」です。色々な本などに、前傾した骨盤、後傾した骨盤、のことが書かれてはいても、それを読んでいる人が自分の骨盤はどちらなのかを確認する方法は書かれておらず、結局わからない、という声をよく聞きます。私がいつもレッスンで教えている方法をお伝えしますので、ぜひあなたの骨盤の傾きを確認してみてください。

 ウエストのくびれから5cmほど下がった所に、コリコリした骨盤の骨が左右にあります。この2つの骨と恥骨を結んだ三角形の「面」が床に対して「垂直」な状態が、正しい骨盤の傾きです。コリコリよりも恥骨が前に出ている人は骨盤が後傾していて、内臓下垂をしてお腹がポッコリしやすいです。日本人の6割が後傾と言われています。

恥骨よりもコリコリが前に出ている人は骨盤が前傾していて、いわゆる反り腰でお腹が前に突き出ています。

 また、いつも通りに立った状態で、自分の体重が足の裏のどこに比重を置いて乗っているかを感じてみてください。かかとに多く体重が乗っている場合は骨盤が後傾、つま先に多く体重が乗っている場合は骨盤が前傾している確率が高いです。理想は足の裏の全部の面に均等に乗っていることです。骨盤の傾きが正しくなると、均等に乗るようになります。この2つの確認方法を合わせて、いつでも自分の骨盤の傾きを確認しましょう。

最強の若返り美人化ホルモンと、自分の骨盤の正しい傾きを知るの画像はこちら >>
 

 全体的には太っていないのに、骨盤が後傾して内臓下垂し、お腹ポッコリだった生徒さんに、「気がついたら一日に何度でも骨盤を正す」と、第10回コラムで紹介した内臓を引き上げるエクササイズ「ブリッジ」を宿題にしたら、1ヶ月後にはキレイに骨盤が正され、見事にお腹もペタンコになりましたよ。

 正しい骨盤の傾きはそれだけで自然なコアトレになり、全身の歪みを整え、質の高い体になります。骨盤を正すこととブリッジをセットでやることで、子宮や卵巣は正しい位置でリラックスでき、女性機能もぐんっと良くなるので、ぜひやってみてくださいね。

 このコラム連載では、女性の心と体を健やかに、そしていつまでも若々しく美しくあるために大事なことを綴っています。ぜひバックナンバーを全て読んでくださいね。あなたにとって必要なことが3つは見つかるはずです。

どうぞ女性としていつも健やかで幸せでいてください。そして今日も「若々しく美しく」。

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