皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! 前回は私が罠師を選んだ理由、罠師のメリット・デメリットを私の経験を踏まえて綴らせて頂きましたね。今回は、罠の種類や作り方について掘り下げてお伝えさせて頂こうと思います。
さて皆さんが“罠”ときいて思い浮かべる物はなんでしょうか? 落とし穴や、ゴキブリホイホイ、ネズミ捕りも簡易的な罠のうちの一つですね。狩猟によって罠を使う場合、法律によって使って良い罠の種類は限られており、主に以下の4つの法定猟具として区分されます。
1 くくり罠
くくり罠は私が使っている罠で、とてもポピュラーな猟具です。罠を踏むとバネが作動し、ワイヤーで獲物の足を捉えます。とてもシンプルで設置しやすく、大量に設置するのに最適です! シンプルな分、コストも安く、自分で作ることも比較的容易にできます。私もくくり罠を自作し狩猟に挑みました! ただし、けもの道(獣の通り道)を的確に見つけ出し、その中でも獲物が踏むポイントを推測し罠を設置しなければならないので、経験を積み、獲物の習性について、そして罠を仕掛ける土地についての勉強がとても大切です。けもの道があっても、そのけもの道は今年のものとは限りませんし、よく使うけもの道、そうではないけもの道もあります。今年獲物が使っているけもの道を見つけ出し、そこを通っている獲物の大きさ、足幅を推測し、獲物にばれないように罠を仕掛けるのは至難の技です……! 私の経験から、罠師1年目から獲物をぼんぼん捕まえるのは不可能に近いのではないかと思っています。罠をたくさんかけても、見当違いの場所にかけていたら獲物はかかりませんからね……(;エ∀`)新米猟師Nozomiの悪戦苦闘はまだまだ続きそうです。
【捕獲対象】イノシシ、シカ
【値段(1個当たり)】
♦既製品・約5,000円~
♦自作・約1,500円~

2 箱罠
箱罠とは名前の通り箱型をした罠の事で、その箱の中に閉じ込め獲物を捕獲します。
扉が閉まる為のからくりですが、箱の中の踏み板を獲物が踏んだら扉が閉まるタイプのものが一般的。ほかにもおびき寄せる為の餌を吊るしておいて、餌が引っ張られたら閉まるタイプのものや、獲物が箱の中を通り抜けるときに扉が閉まるタイプのものなどさまざまなタイプのものがあるようです。罠の大きさやタイミングや大きさによっては一気に複数の獲物を捉える事ができます! ただ、獲物も馬鹿ではありません。猟期中何度も中の餌だけを食べられてしまった箱罠を目撃しました……!
一歩間違うと獲物を餌付け状態にしてしまいそうですね……(;^_^A
デメリットは価格が高いことでしょうか……。既製品を購入すると大きさにもよりますが大型のもので1つ約60,000円~。自作したとしても約30,000円~と、なかなかハードルは高いですが私も今期は是非挑戦してみたい猟具のうちのひとつです!
【捕獲対象】サル、イノシシ、クマ類、カラス類、シカ
【値段(1個当たり)】
♦既製品(大型)・約60,000円~
♦自作(大型)・約30,000円~

3 囲い罠
囲い罠の基本構造は箱罠と一緒です。箱罠と違う所は、天井部がなく大型であることです。杭や柵で囲いこんでその中に獲物が入ると、扉が閉まり獲物を捕まえられる仕組みです。
また、天井がないので解放感があり、箱罠よりも獲物が警戒しづらく中に誘い込みやすいそうです。ですが箱罠は大型なので、罠を仕掛ける土地の確保や罠の設置や移動が大変だったり、中に入れておく大量の餌代も馬鹿にならないそうですね……。
【捕獲対象】イノシシ、シカ
【値段(1個当たり)】
♦既製品大型・約100,000円~(大きさにより1,000,000円以上の物も…)
♦自作・約50,000円~

4 箱落とし
箱落としは獲物が箱の内にはいって餌を引くと、上のおもしが落ちるしかけの猟具のことです。箱罠などではすり抜けてしまうようなイタチなどの小型の獲物を捕獲する為に用います。法定猟具として認められている箱落としは、落とした重しで獲物を圧殺してしまわないように“さん木”と呼ばれるつっかえ棒のような仕組みを使って重しが下まで落ちてしまわないようになっています。なぜ、圧殺してはいけないかというと、狩猟対象ではない鳥獣が誤ってかかってしまった時の為に健康な状態で速やかに逃がしてやる為です。箱落としの中で“さん木”のないものを使用することは法律で禁じられています。あまり私の周りで箱落としを使っている方を見かけませんし、聞きませんでした。
【捕獲対象】イタチ ハクビシン 小型獣
【値段(1個当たり)】
♦既製品・見当たりませんでした
♦自作・約2,000円~

さて、たくさんの罠がある中で、わたしはくくり罠を選びました! やはりコストが安くてお手軽なのでビギナー向けです! しかし最初は既製品の罠を買うお金がない……という事で私は罠を自作しました! 自作で罠を作れば既製品のものよりも安く、そしてカスタムは自分次第! 自作罠は人によって本当にそれぞれ違います。ホームセンターで揃えた材料で誰でも簡単に作れる“Nozomi流くくり罠の作り方”をご紹介いたします! 詳しくはYouTube『#1【狩猟】ホームセンターの材料で低コストでできる自作くくり罠(縦&横対応)前編』と『#1【狩猟】ホームセンターの材料で低コストでできる自作くくり罠(縦&横対応)後編』を参考にして頂ければ幸いです。ちなみに私の自作罠は1個あたり約1700円で作ることができました! 知り合いの猟師さんで1個当たり1500円で作った、なんて方も居たのでカスタム次第ではもっと安くできるかも!?
※あくまでNozomiの作り方です。
1 道具・材料を揃えましょう。


ワイヤーカッターやジグソーは必需品ですね……!
2 塩ビ管VU125を約10㎝に切断していきます。

3 塩ビ管VP13を約20㎝に切断していきます。
4 塩ビ管VP20を約10㎝に切断していきます。
5 ワイヤーを約2m×2個に切断します。

6 塩ビ管VP13のキャップに穴をあけて・・・。

7 塩ビ管VP20のキャップを加工します。こうすることで縦横併用カスタマイズ!

8 ワイヤーをスリーブに通して……。(細かい作業イライラ!)
9 ⑧で通したスリーブを2か所固定!

10 締め付け防止金具(一つ穴スリーブ)も固定してくくり罠の“くくる部分”の完成!
11 もう一本のワイヤーに、どんどん分品を通していきましょう!
塩ビ管VP20のキャップ→塩ビ管VP20→バネ→塩ビ管VP13→塩ビ管VP20のキャップ→ストッパー→より戻し

※より戻しとは……ワイヤーとワイヤーを繋げる際に、ねじれてしまう事をふせぐ金具です。
12 より戻しを固定して罠の起動捕獲部分の完成です!
13 ⑫で固定したより戻しに2mほどのワイヤーを固定します。
14 ⑬の一番端っこを丸めてスリーブで固定しシャックルを付けます!
!!!完成!!!(ジャジャジャーン!!!)

※必ず動作確認をしましょう。
※ワイヤーを切るときはテープでまとめてから切るとワイヤーがバラバラにならなくてスムーズです。
【終わりに】
今回は罠の種類や作り方について掘り下げてお伝えさせて頂きました。罠ひとつとっても、種類はさまざま。師匠の罠と私の罠でも仕様はそれぞれ違います。私もどんどん改良を加えてカスタマイズしていこうと思います。是非、これから罠を購入したり、作製する方の参考になれば幸いです。
次回は私が初めて獲物を捕った日の事、そして命についてお伝えしていこうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。