土曜ナイトドラマ
『おっさんずラブ-in the sky-』
テレビ朝日/毎週土曜 よる11時15分放送
“CAとして転職をしたばかりの春田創一(田中圭)はお人好しの独身・35歳。普通の男として生活を送っていた春田、新しい職場でいきなりモテ男になる。それもキャプテンの黒田武蔵(吉田鋼太郎)、整備士の四宮要(戸次重幸)。そしておそらく彼に惹かれていくと予想される成瀬竜(千葉雄大)に、唯一の女性・橘緋夏(佐津川愛美)。混戦間違いなしの恋の行方はどうなる---”
『おっさんずラブ』作品シリーズのことはスポ根作品だと思っている。
昨今のブームによって、このコラム読者の皆さんもタイトルくらいは耳にしたことがあるはず。実は、2016年に放送されたスペシャルドラマから人気に火がつき、連ドラ化とブレイクを経て、昨年は映画化。そしてシリーズ2の放送。ここまでに約3年以上の時間を費やしている。中学校に入学した子どもが、めでたく卒業する時間が経過しているのだ。
そんなスポ根作品、第2シリーズもだいぶかっ飛ばして始まった。
主役の春田のお人好しキャラクターはそのまま、主要キャストのほとんどが彼のことを好きになっている。前回から引き続いて、突然の男性愛に目覚めてしまったおっさん・黒澤はもう安定の愛を注ぐ。そこに加わったのが静かに後輩へ想いを募らせる四宮だ。彼が大映ドラマのように、片思いに気づかれないよう耐え忍ぶ姿はとても可愛い。男性好きは判明しているものの、今はまだ春田へ何もアクションがない成瀬もそのうち好きになるのではないかと、私は読んでいる。
ヒロインが全員、おっさん。みんな可愛い、おっさん。おっと、忘れていたが同じ職場の橘も春田が好き。おそらく春田も橘が好き。
個人的にこの作品の要だと思うのが、吉田鋼太郎さん演じる黒澤武蔵だ。もちろん、田中圭さんの出世作だし、不動の人気を決定づけた作品だとは知っているけれど、どうしても目が追ってしまうのは黒澤=キャプテン。
今回の恋愛設定も素っ頓狂で楽しい。第1シリーズでは妻帯者でありながら、春田を好きになってしまう自分に苦悩していた。そして本作では、娘と好きな人が被ってしまうというラブギミックが仕掛けられている。ついに前回の放送では、自ら告白するところまで彼の気持ちは進出。このまま思いはどこまでベクトルを伸ばしていくのだろうかとワクワクしてくる。
前回にあった、
「はるたん♡」
呼び。その他、春田への高レベル手作りお弁当などを超えるラブアタックは登場するだろうか。
それにしても吉田鋼太郎さんは愛すべき俳優さんだと思う。ギャグと本気の間に揺れながら、視聴者の心を絶対的に外さない演技をかましてくる。自分が求められていることを心底理解しているのだろうというのが、私予測。
たった2回の放送でこんなにゴチャついた人間模様を読むと、脳内がだんだん混乱してくると思うが、得体の知れない恋心がどこまでも突き進んでいく作品なのである。きっとあなたの中に知らなかった感情が渦を巻いてくる。ひょっとしたら今夜の第3回目の放送終了後には、新しい恋が芽生えているかもしれない。
余談だけれど、今回の舞台になった『Peach』。イメージカラーも制服もピンクの航空会社が、よく恋愛ドラマに協力したと思う。許容範囲が広い会社なんだと、なんだか好きになったし、次回フライトする機会があったら予約をしてみたくなった。あれ? これもひょっとして、おっさんにかけられたLOVEマジック??