年末年始の帰省、お疲れ様です。
できれば正月は自宅で好きなことだけしていたいだろうに、わざわざ交通費を払って、混雑している中を帰省。仕事よりも辛いと思う。さらに子どもだというだけでお金がもらえるお年玉制度のおかげで、かさばる出費。ついでに
「いい人いないの~?」
と飛んでくる、親戚からの吹き矢。なんの意味があるのかと私も疑問を感じながら、帰省している。2020年、いいことが起きるためのプチ修行だと自分に言い聞かせながらね。さて、今回はそんな田舎帰省時に出くわすであろう、シチュエーションについて書いていきたい。テーマは『自虐発言』だ。
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先日、同い年の知り合いが初産をした。
「わ~、可愛い! “おばちゃん”と遊ぼうか~」
自分のことを『おばちゃん』と一人称している。30代から始まっている現象だけど、これは果たして正しいのだろうか?
著書『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』の『年齢とは背番号なので気にしない』(P178)でも、訴えたけれど、独身勢が自称・おばちゃんでは本物の母親に気を遣わせる。彼女たちは、相手が独身だと察知したら
「お姉さんね」
と、呼んでくる。それがありがたい気遣いだとしたら、こちらの自虐発言=おばちゃん呼びは、余分な気遣いをさせているだけなのだ。このことに気づいてから私は自虐発言をすっぱりやめた。甥っ子や姪っ子たちにとって、叔母さんではあるけれど、私はおばさんになんかなっていない。
■男性が“振り返りたくなる”存在を目指してみるおばさん呼びをやめて次に気をつけたいのが、サゲ発言だ。自分たちのことを『手前ども』、書いた本のことを『拙著』、手土産のことは『つまらないもの』。
その美徳とはまた路線が違うのかもしれないが、よく会社員の女性から
「私の仕事なんて、全然……誰にでもできるような仕事ですから」
と酒場で話しを聞く。これは昔からいろいろな場面で聞いてきた。それは私が出版社をやめて、独立して仕事をしている立場だということが大きい。フリーランス、なんとなく響きだけはかっこいいじゃないか。自由に好きなことをしているイメージが先行するのだろう。実際は、早朝撮影もあるので体力的には“きつい”、明日は仕事がないかもしれない“危険”、人前に出ない日は風呂をサボることもある“汚い”の3K業だけど。
単に世間のイメージだけで私のことを褒めてきてくれる、会社員の女性たち。自分のことは下げて話してくるけれど、その労力は空前の人手不足の日本にとって至宝であることを気づいてほしい。前出の自著でも伝えているけれど(P150 「他人に誇れる仕事を持つ」)、何も表舞台に出る仕事が偉いわけでもなく、働いていればみな同じ。問題は自分の仕事にプライドが持てるかどうかなのだ。
と、ここまで話すと自虐女子たちも仕事については納得する。仕事を自虐しながらも、商社マンの男を落としにかかっているたくましさがあればいい。でも続けて
「いい人がいないんですよ」
と、男日照りの愚痴が始まる。そうだろうと思う。なぜなら、そんなに自信がない女に男も魅力を感じないし、選ぶこともないだろう。もし、男が自虐発言なのか謙遜か分からないことを繰り返していたら、あなたはそんな相手を“いい人”と認識するだろうか?
この状況から抜け出したいなら、方法のひとつにここまで粛々と並べてきた自虐発言をやめること。そこからスタートしてとりあえずは、男が振り返りたくなる女性を目指したい。いきなり選ばれる女になるのは、綾瀬はるかクラスの話になるので、まずは
「ん?」
と、気づかれる存在に。そう、年末に支給されたボーナスから香水でも買って、いい香りを振りまいて、振り返られる存在になろう。そして次のステップは堂々と自分の仕事のことを他人に話す、誇る、へ。