トランプを西側諸国として最も早く表敬訪問する安倍首相。TPPをはじめとした外交交渉も喫緊問題は山積みですが、待機児童問題はじめとした国民の生活問題も忘れてはなりません。
そこで、新刊『安倍でもわかる政治思想入門』を上梓した作家・適菜収氏はその「待機児童問題」で安倍首相の信じられない発言の数々を記録している。
そのひとつがこれ。
待機児童問題について 二〇一六年三月一四日 安倍晋三の国会答弁
「菅官房長官の下で、
時代の変化に対応した栄典の授与に関する
有識者懇談会を開催しており、叙勲において、
保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても
検討していきたい。」
二〇一六年三月一四日、待機児童問題に注目が集まる中、新党改革の荒井広幸が保育士を叙勲により評価してはどうかと質問すると、安倍は「待機児童ゼロを必ず実現させていく」「菅官房長官の下で、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会を開催しており、叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても検討していきたい」と答弁。
叙勲?
保育士の給料が低いことが問題なのに、なにを言っているのか意味不明。
それ以前に、子供を保育園に預けて主婦が働きに出なくても豊かに暮らせる社会をつくるほうが先決だろう。しかし、安倍政権がやっていることは正反対。配偶者控除廃止をもくろみ、移民のメイドを入れ、伝統的な家族制度の解体を図ろうとしている。
国会における過去の安倍発言を振り返っておく。
「子供は国の宝です。安心して結婚し、子供を産み育てることができる日本にしていかなければなりません。同時に、家族の素晴らしさや価値を再認識することも必要です」(二〇〇七年一月二六日)
「子供を慈しみながら両親が、また家族が育てていく、お互いに家族のきずなを大切にしていく、こういう家族の良さ、価値は私はやはり再認識をしていかなければならないと思います」(二〇〇七年二月一五日)
いい加減にしろよ。
(※新刊『安倍でもわかる政治思想入門』本文一部抜粋)
著者略歴
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。