起こりうるミスやトラブルをシミュレーションできてこそプロ
何かミスが起きたとき、「まさかこんなことになるとは」と呆然とする人がよくいますが、僕に関していうと「予想外」のミスは、本当に起きないんですよ。
僕のシミュレーションは、基本的には一週間単位で行ないます。日曜日の夕方もしくは夜に、次の日曜日までの1週間で起こり得ることすべてを頭に思い描いてみる。1~2時間と十分に時間をかけて考えて、必要なことはスマホにメモをします。
このときに、起こる可能性のあるトラブルまで考えているのが、他の人との違いではないでしょうかね。だいたいトラブルを起こす人間は決まっていて、トラブルの内容も想像がつくものなんですよ。もし、なにか起きても想定内だから、むやみに慌てることがないんです。
もう一つ、僕のシミュレーションの特徴として、逆算の考え方があります。次の日曜日を起点にして、そこからさかのぼって1週間を俯瞰していく。逆算するメリットは、ミスを防げること。若いマネージャーがミスをしたときも「この仕事の目的は何? じゃあ、なんでその目的からさかのぼって考えないの?」とよく注意しています。
もう少し遠くを見据えた逆算も必要です。特に、僕のいる予備校界では、そうせざるを得ないんです。センター入試が廃止されて新テストが導入されるのが、3年後の2020年。大きく入試制度が変わりそうなんです。そこから逆算して、今、どういう準備をしておくべきかを考える必要があります。AIの発達、少子化もあって、間違いなく必要な人間の数は減ります。そのときになって、「仕事がない、どうしよう?」と言っているようでは遅いんです。今から、想定されることなんですから。
もちろん、どのような仕事でも念入りにシミュレーションはして、万全の態勢で臨むべきです。それができなければ、プロとは呼べないと僕は思っています。
※この記事は2月15日(水)までの限定公開です