
私は“日常のしぐさ”を振りに落とし込むことが多いので、よく人の動きを観察しています。電車に乗っているときに“あの座り方はチャーミングだな、あの立ち方は落ち込んで見えるな”と考えたりして。例えば“子どもが緊張したときは肩があがる=かわいい”というような小さな動きを見逃さないようにして、振付に生かしたり。そういったところからヒントを得ています。
撮影/杉田裕一 [POLYVALENT] 長い間、振付をやってきて、自分なりの「型」というものが最近になって見えてきました。例えば、誰であっても、腰を左に出したときに右腕のほうの肘を張って、体全体を引っ張るようにすると、身体のバランスが取れているように見えたり。音に合わせて関節の動きをピシッと決めることで、音に身体をはめていくことができます。
腕と足の角度を決めると変わった形でもキマって見える、というような、自分なりのアルゴリズムといいますか。日本舞踊などの「◯◯流」というのでもないですけど、私っぽい「型」を意識して振付を作っているところがあります。
「MIKIKOさんのダンスのジャンルは何ですか?」とよく聞かれますが、自分でもジャンルは意識していません。高校時代にダンスを習っていたときも、ヒップホップとバレエ、両極端なものをいっぺんに習って「どっちかを辞めないと大変なんじゃない?」と言われていたくらい。でも私の体型には両方必要だったので、これまで勉強してきたバレエ、ヒップホップ、ジャズの要素をミックスしつつ、海外アーティストのマネではなくて、自分の体型で踊りやすい踊りを追求してきた結果、今のスタイルが出来上がったと思っています。
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