この春新入社員になるあなたへ。第一印象を決めるのは、まず「言葉遣い」。
そして、その言葉遣いの基本となるのが「敬語」だ。大ベストセラー「頭がいい人の 敬語の使い方」シリーズの著者・本郷陽二氏のシリーズ最新刊、『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』(ベスト新書)から、押さえておきたい敬語の実例を紹介する。◆「お」や「ご」をつければ、何でも丁寧語?

 三つ目の丁寧語は、ものごとを丁寧に表すための敬語です。

 具体的には、「です」や「ます」を語尾につけた表現です。

「ボクは会社に行く」を丁寧語に直すと、「わたくしは会社に行きます」

「具合悪いから寝てる」を丁寧語にすると「具合が悪いので、寝ています」

 のように言い換えることができます。

 また、単語の前に「お」や「ご」をつけて丁寧にする、「美化語」も、丁寧語の中の一つです。

 たとえば、お客さまに飲み物をすすめる時、「茶のおかわりはいかがですか?」より、

「お茶のおかわりはいかがですか?」が丁寧な言い方ですし、品の良い言葉づかいになります。

 ただ、丁寧な言葉づかいにしたいからといって、むやみに「お」や「ご」を付ければいいというわけではありません。美化語にもちゃんとしたルールがありますから、これを守らないと、またおかしな日本語になってしまいます。

 

「おタバコ」「おトイレ」はアウト! 丁寧語の正しい使い方の画像はこちら >>
イラスト/ホセ・フランキー

 まず、「お」や「ご」をつける決まりの中には、外来語にはつけない、というルールがあります。ですから、今では日本語としてかなり定着している「おビール」や「おトイレ」「おソース」なども、本当は間違った丁寧語なのです。

 また、天候や自然現象、公共物などは「美化語」には適していませんから、「お雨」や「お雲」、「お台風」「おバス」や「お地下鉄」、「お団地」や「お役場」といった言葉は聞いたことがないでしょう。

 そのほか、悪い意味の言葉も美化することができませんから、「お犯罪組織」や「お詐欺」「お裏切り」など、元の言葉が悪ければ、美化語にはなりません。

 頭に「お」と「ご」のどちらをつけるかですが、これには、「漢字で表現されるもので、音読みで始まるものには「ご」がつき、訓読みやひらがなで始まるものには「お」がつく」という決まりがあります。

◆美化語にはルールがある

× おビール おトイレ 

× おタバコ お天ぷら

× ご中退  ご離婚

〇 ご卒業  ご結婚

【ポイント】

間違った使い方は、失礼になることも

『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』より構成】

 

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