三つ目の丁寧語は、ものごとを丁寧に表すための敬語です。
具体的には、「です」や「ます」を語尾につけた表現です。
「ボクは会社に行く」を丁寧語に直すと、「わたくしは会社に行きます」
「具合悪いから寝てる」を丁寧語にすると「具合が悪いので、寝ています」
のように言い換えることができます。
また、単語の前に「お」や「ご」をつけて丁寧にする、「美化語」も、丁寧語の中の一つです。
たとえば、お客さまに飲み物をすすめる時、「茶のおかわりはいかがですか?」より、
「お茶のおかわりはいかがですか?」が丁寧な言い方ですし、品の良い言葉づかいになります。
ただ、丁寧な言葉づかいにしたいからといって、むやみに「お」や「ご」を付ければいいというわけではありません。美化語にもちゃんとしたルールがありますから、これを守らないと、またおかしな日本語になってしまいます。
イラスト/ホセ・フランキー
まず、「お」や「ご」をつける決まりの中には、外来語にはつけない、というルールがあります。ですから、今では日本語としてかなり定着している「おビール」や「おトイレ」「おソース」なども、本当は間違った丁寧語なのです。
また、天候や自然現象、公共物などは「美化語」には適していませんから、「お雨」や「お雲」、「お台風」「おバス」や「お地下鉄」、「お団地」や「お役場」といった言葉は聞いたことがないでしょう。
そのほか、悪い意味の言葉も美化することができませんから、「お犯罪組織」や「お詐欺」「お裏切り」など、元の言葉が悪ければ、美化語にはなりません。
頭に「お」と「ご」のどちらをつけるかですが、これには、「漢字で表現されるもので、音読みで始まるものには「ご」がつき、訓読みやひらがなで始まるものには「お」がつく」という決まりがあります。
◆美化語にはルールがある
× おビール おトイレ
× おタバコ お天ぷら
× ご中退 ご離婚
〇 ご卒業 ご結婚
【ポイント】
間違った使い方は、失礼になることも
【『一言で印象が変わる さすがと思われる話し方』より構成】