「自由研究」で一番思い出深いのは、長男が小学4年生の時に作った「ハンモック」です。もともと子どもが2~3歳の頃から工作の本を集めていて、それを見ながら色々と作っていたんです。紙コップやサランラップの芯などを材料にして。その分厚い工作の本の一番最後にのっていたのが「ハンモック」。私自身「いつか作ってみたいな~」と思っていました。
長男の小学校は少し特殊で自由研究は6年間の間に4年生の1度だけ。私はずっと楽しみにしていて、長男が4年生をむかえた時に「よし、このチャンスにやってみよう!」と。
これがハンモックの実物写真(佐藤亮子さん提供)ハンモックは固くて丸い筒状の木とビニールロープを使って作りました。木に穴だけホームセンターで開けてもらい、あとは自作です。2本の棒に穴を開けてもらって、そこにビニールロープを通します。その丸い木の棒を自宅の鴨居にかけ、編んでない方のロープを暖簾のように下げて、毎日子どもと一緒に編んでいきました。魚網のような編み方なんですが、長男は器用で、網がどんどん出来ていくんですよ。
結局そのハンモックは面白い課題だということで学校で表彰されたんです。体育館の講堂で、先生たちがハンモックの両側を持って、真ん中に息子がのって……とてもウケたみたいです。今も家に残しているんですが、本当によくできているんですよ。まだのれると思います。
3日間かけて京都の神社仏閣を巡る次男の場合は、先生がフォーマットを決めていて、模造紙に各々が研究したテーマを書いて休み明けに発表、というパターンだったんですが、好きだった「算数」をテーマにしました。結構、皆さん古生代の崖がある所とかに行ったりしていましたが、うちは小さい子が一杯いるのでそんなに動けません。結局「算数」をテーマということでフィボナッチ数列などをまとめていた記憶がありますね。
長女の自由研究も力が入りました。中学3年生の時の「京都神社仏閣巡り」です。娘は京都の学校に通っていたのですが「意外と京都のこと知らないよね」ということで夏休み3日間かけて寺社仏閣巡りをしたんです。主人をドライバーにして(笑)。



宿題ってどうしても、一方的に「やりなさい!」という感じになりがちですが、親が積極的に関わることが大事だと思います。自由研究でいえば、私は5、6月の頃から、手帳に「やりたいネタ」を書きつけていました。子どもたちが興味あるテーマにあわせて「(算数が好きな)次男だったら、分数のテーマはどうだろう」といった風に。
お母さんの方からネタを与える、その方が結果的に楽しく取り組めると思います。結局子どもの頭だけで考えさせても、子どもの歳なりのことしか考えられないもの。きちんと親が子どもの興味・能力を見極めて「このテーマはどう?」と言ってあげれば、子どもも「ちょっと面倒くさそうだけどやってみようかな」となるものです。
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