先日発表された、タイムズハイヤーエディケーションによる世界大学ランキング。言わずと知れた日本の最高学府、東京大学ですら46位。
ではその上位に食い込む大学は何が違うのか? 同大学ランキング3位、スタンフォード大学の傾向を読み解く。

世界大学ランキング3位。「21世紀のハーバード」の実力

スタンフォードは理系が強い!

世界大学ランキング3位の攻略法。理系エリートはスタンフォード...の画像はこちら >>

 では合格するための要素は何が必要なのでしょうか?まず、学校の特徴を把握するところからスタートしましょう。

 スタンフォードは、全てのプログラムに強みがあるというわけではなく、分野による偏りがかなりあります。他の大学に比べて、STEM(科学:Science、技術:Technology、工学:Engineering、数学:Math)により重点を置いた大学です。したがってSTEM分野が得意で秀でている学生は、出願する際に有利になります。

 ただ、例えば「工学」でいくとしても、幅広く工学は何でもいける、という生徒ではなく、工学の中でも特にこの分野で群を抜いて高いスキルや実績を持っている、という生徒が好まれます。工学(エンジニアリング)と言っても、生物工学、医療工学、電子工学、機械工学、宇宙工学、材料工学など様々なエリアがあります。このどれに興味があり、自分にどんなスキルがあり、何を成し遂げたいのか?こうした明確な「ビジョン」を持っている出願者こそが合格を勝ち取ります。

文系にもチャンスはある.....!?

 STEM分野に関心のない学生でも、他分野にも優れたプログラムがあり優秀な教授陣が揃っているので、これら以外の専攻での出願でももちろん問題ありません。スタンフォードに入学したいという情熱と自らの勤勉さを示せば、STEM分野が得意ではない学生でも受け入れられています。しかしやはり数学の成績とスコアには気をつけなければいけません。

 仮に「文系」の専攻で出願する場合であっても、SATやACTの数学で高得点を取っていなければ、ほぼ合格はありません。スタンフォードは、理系寄りの学校です。理系が得意でないなら、スタンフォードはあわない可能性が高く、よって他の大学への出願の方が賢明です。

出願エッセーの書き方

 スタンフォード大学へ合格するためには、他にも推奨事項がいくつかあります。当然のことながらスタンフォードは、高いGPA(学校の成績)、SATスコアの学生を受け入れるのですが、これ以外にも重要視される項目があります。スタンフォードの創造・知性の精神に則って、大学は「社会にプラスの影響をもたらす学生」を求めています。

この要素を必ず出願エッセーで書いてください。

 例えば先ほどの工学の話で行くのであれば、医療工学に特化させるとして、「医療工学の進展をもって社会に貢献できる・したい!」と明確に書きましょう。また、推薦状にもそのように書いてもらいましょう。少し大袈裟なくらいでも構いません(推薦状とはそのようなものです)。「この学生は、高校時代○○に取り組み、その結果こういう貢献を社会にもたらした、社会がこう変わった!」この位のことを書いてもらわなければいけませんし、逆に言うと、この位書いてもらえるようなことをしなければダメだという事です。

「その道のプロ」を目指せ!

 別の角度から、更に合格率を上げる方法を見てみましょう。

多くの他の名門大学では、「学生は多才で、幅広い分野においてバランスよく成績優秀であるべき」という考えや合否判定基準があるのですが、スタンフォードはこうした考え方を幻想であると捉えています。特定の分野に秀でた才能と情熱を持った学生が有利です。本気で狙うなら、出願する学生は、「この分野なら誰にも負けない」と言えるくらい、得意分野に注力し、その分野のスキルや知識を徹底的に伸ばしていった方がよいでしょう。

 上記は極めて大事な要素で、他の名門大学と明確に異なる審査基準です。「これは他の誰もできないけど私ならできる、、、」などのように、どれだけ“突出”しているか、が着眼点です。“優秀さ”ではありません。

例えば、「プログラミングで独自のシステムを構築したことがある」「課外研究で新種の微生物を○個発見した」「音楽で異分野だった○○と○○を融合したスタイルの音楽を確立した」「高校生ながら一般の映画コンクールに応募し入賞した」「建築デザインで最新ソフトを使い高層ビルのモデリングを行った」といったような突出した何かです。オールラウンダーではなく、専門性を強く追求した玄人(くろうと)こそがスタンフォードに合格します。

 これは、以前ご紹介の名門大学、プリンストン大学とは真逆ですね。後者は、オールラウンダーを好みます。即ち、自分のそもそもの特性がオールラウンダータイプならプリンストン大学やコロンビア大学を、自分の特性が特殊分野の玄人タイプなら、このスタンフォード大学や、次回ご紹介するカリフォルニア工科大学のほうに集中して出願するほうが、同じ名門大学への出願でも合格率が高くなるという事です。こうした、自分の特性に合わせた出願戦略、出願校の選定はとても大事です。

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