映画で描かれた美しい風景描写も多くの人を魅了した要因の一つだが、その「舞台設定のモデル」になったとされる、岐阜県の飛騨古川。
映画のワンシーンを再現したかのような写真が撮れることでも人気だが、せっかく行くならとことん「完コピ」したい! インスタ映えする決定的1枚の撮影方法をプロのカメラマンと徹底研究!写真を拡大 瀧たちが三葉の面影を探して駅のホームに降り立つシーン。画面中、ホームに停車中の電車は特急「ワイドビューひだ」と思われる。糸守町の記憶を辿りながら駅に降り立つ
映画『君の名は。』の舞台として有名になった岐阜県の飛騨古川。作中、東京の国立新美術館で観た飛騨の写真が、糸守町に似ていると気付いた瀧は思いを巡らせる。そして、瀧は三葉の住む糸守町を探すために、この町を訪れる。(ちなみに飛騨古川はあくまで作中で「瀧が三葉の面影を探して訪ねる場所」であり、三葉が実際に住む糸守町のモデルではない)。
そんな中、瀧たちが電車(ワイドビューひだ)で降り立つ際、ほんの一瞬のシーンにも関わらず、『君の名は。』の舞台と言えばみな最初にここが思い浮かぶ象徴的な場所が「JR飛騨古川駅」。線路はもちろん、周辺の建物や山々の稜線に至るまで、 その再現率の高さには思わず溜息が漏れる。

上のような再現写真を撮影するには、駅西側にある跨線橋が撮影ポイントとなる。跨線橋の中央に位置する窓、そのセンターから2枠目の隙間から覗くとベストポイント。足元には撮影用の足場も用意されており、「パースの付き方や周辺の建物だけでなく、木々の形までそのままなので、 かなり高い再現が可能です。ただ、青空が撮れるかだけは天候次第です(フォトグラファー・鈴木克典氏)」
しかしここで落とし穴が。実際の電車は映画の「2番線」ではなく、反対側の「1番線」に到着するのだ。「どうしても映画と同じ写真が撮りたい!」という上級ファンには、一日で唯一、2番線に特急が一時的に停車する「9:57着~10:01発の4分間」がワンチャンス。ただし到着後30秒ほどで1番線に対向電車が来てしまう(すぐに発車するが)ので、そのタイムロスにも注意しよう。




飛騨古川駅に降り立った瀧が、タクシー の運転手に話を聞くシーン。ちなみにこの「宮川タクシー」は実際に飛騨古川駅周辺で営業している実在のタクシー会社。 黄色い車も入れたくなるが、現実世界では配車していないのでご注意を。

駅前にある観光案内板を目印に、下の写真の立ち位置から撮影。「映画ではかなり奥行きがある感じですが、実際の距離はそこまでないので、まずはアーケードの屋根先と時計の高さを合わせてパース感をキープしましょう。 のぼりや客待ちのタクシーなどは運次第ですね(フォトグラファー・鈴木克典氏)」ちなみに、駅の木々は常緑樹ではないので(撮影は11月末)、 高い再現率を目指すなら季節も重要だ。 映画カットの左上、時計の時刻に合わせて13:40に撮影すれば上級者。



劇中に出てくる飛騨牛のゆるキャラ「ひだくろくん」の代わりに、立て看板がお出迎えしてくれるので、こちらも訪れた際、撮影ポイントとしてはオススメだ。
(*この記事はストリートジャック2017年2月号の記事を再編集したものであり、2016年12月取材時の内容となります)