「手口は、S氏と関わりの深いメーカーから、グランド・メディカルとして商品購入を偽装し、その商品を復数のリース会社に販売。約10億円の資金を調達していたというもの。架空リースで得た資金のほとんどが、滞っていたグランド・メディカルの支払いに回されたんですが、3億円ほどの現金が使途不明のまま消えたんです」(同)
その使途不明金の一部は、I元理事長に対するリベートとなり、残りはS氏が個人的に使用したといわれている。このS氏の散財ぶりが凄まじい。
「フィリピンパブで豪遊し、知り合った女性と交際していた。パブの女性に入れ込むだけではなく、フィリピンの豪邸に住んで、現地の女性たちにマンションや車を与えていたことも確認されています」(前出のリース会社代表)
こうした不正に満ちた経営の中で誠和会は倒産。その後、架空リースといった不正が関係者からの告発で明らかになったが、破産管財人は聞く耳を持たず、債権者は泣き寝入りの状態が続いている。それどころか、これらの不正に加担した誠和会の幹部であるK氏は、茨城県立こころの医療センター事務局長に収まっているというから、開いた口が塞がらない。前出のM代表は「他の被害者のためにも泣き寝入りせずに、3人を刑事告訴して、真相を明らかにします」と言う。
スカイツリーの麓で起きた、医療法人をめぐるスキャンダル。今後大きな事件へと発展するかもしれない。
(文=本多圭)