それから数日後、B部長がいきなりA氏に「ところでAさんの旦那さんって、何している人?」と聞いてきた。
A氏の夫は、マクドナルドの社員でAMD(エリア・マーケット・ディベロッパー)から、店長の下の役職であるマネージャーに降格していた。そのことを説明すると、B部長は「えー、そうなの、それじゃ『ブロッカー』みたいじゃない」「私なら、『あなたの輝けるところは、ここではなくて、他にあるんじゃないかなあ』とか、別の言い方をするわ」と、夫を侮辱した。
その頃から、A氏の精神状態は悪化し、手がたまに震えたり、意味もなく涙が流れ止まらないことが多くなる、といった症状が現れた。
さらに同年12年1月には、「PDS(パフォーマンス・ディベロップメント・システム)」という、社内の評価システムが実施された。これは、従業員と会社の間で目標を合意し、中間面談などを経て、毎年4段階で評価されることになっていた。B部長はA氏に「4段階で2(機会点【編註:問題点、課題点】あり)の評価」と告げた。そして、一方的に「どうして、そんなに他責なの。人のせいにしないで!」とA氏を叱責し始め、それは1時間以上にも及んだ。
翌2月には、A氏がある仕事でミスをすると、B部長は「ったく、何やってんのよ」「4時間でできるでしょ」と命じた。A氏は愕然とし、「無理です。プロである業者がやって2週間の納期の見積もりが出ている作業を、私一人でそんなに短い時間でするのは、無理です。そんな能力はありません」と必死に訴えたが、B部長は「何キレてんのよ」と責めた。