「本社からコンプライアンスに関する通達のようなものは、しょっちゅう来ていました。しかし現場では、まともに守られていませんでした」(同)
前述のタイムカード打刻後の説教もそうだが、就労時間などもきちんと守られていなかったという。規定では毎日1時間の休憩時間が与えられることになっていた。しかし、1時間分の時給は引かれていたにもかかわらず、1時間の休憩を取ることはできなかったとAさんは語る。
「『休憩は40分だけ。それがこの店のルールだ』と言われました。最初、私はそれを当たり前だと思っていたのですが、一緒に入ったスタッフからの指摘で、おかしいということを知りました。そこで派遣会社に問い合わせをしました」(同)
本来、こうした事態になった時、派遣会社がスタッフを守るものだ。しかし近年では派遣会社も厳しいのだろうか、実際にはソフトバンクの社員のほうが強く、派遣会社の担当者は「こういうものだから」となだめることしかしなかったという。
また、Aさんが問題視していたのは、iPhoneを購入した客の了解を得ずに、ブースが入っている家電量販店のアプリケーションをインストールしてから端末の引き渡しをしていたことだ。最近、家電量販店などでは、独自のアプリをつくり、それによって顧客管理を行っている。Aさんの勤務していた店舗では、勝手にソフトバンク側であらかじめインストールしてしまっていたというのだ。