一連の騒動では、論文発表当初は「リケジョの星」と脚光を浴びた小保方氏に対する批判的な報道が数多くなされ、中には小保方氏の私生活に関するものも多く、「小保方バッシング」の様相を呈しているが、本件について世間一般の人々にはどのように受け止められているのだろうか。今回、インターネット調査最大手・マクロミルの協力の下、全国の1000人にアンケートを実施、国民の本音に迫ってみよう。
・調査期間: 3月26日(水)~3月27日(木)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:マクロミルモニタ会員 男性500人、女性500人 合計1000人
Q. 小保方晴子氏(理化学研究所ユニットリーダー)のSTAP細胞関連騒動についてお聞きします。
あなたは小保方氏に対して批判派ですか? 擁護派ですか?
・批判派 23.4%
・擁護派 14.4%
・どちらでもない 62.2%
圧倒的に多かったのは批判派、擁護派の「どちらでもない」とする回答だった。その割合は過半数を上回る62.2%。ただし、性別・年代別にみてみると、「どちらでもない」と答えた人には小保方氏と同じ30代女性が目立ち、72%を占めた。逆に、この回答で最も少なかったのは60代男性の52.2%。一方、批判派と擁護派の2つを比較すると、擁護するより批判的な人が多いことがわかる。ちなみに「批判派」で多い性別・年代は20代男性の28%、「擁護派」で多かったのは60代男性の21%だった。
(1)批判派(23.4%)やはり、一番多かったのは不正疑惑が持たれている行為そのものに対する批判。たとえば「世界的に重大な発見なのに、細胞の写真の件にしても、文章の盗用にしてもお粗末」(50代女性)、「論文作成で剽窃をしてはいけないことは、大学生でも知っていること」(30代女性)など、手厳しい意見が目立つ。
(2)擁護派(14.4%)
擁護派には、「論文(の内容)はともかく、成果が本当ならそれでいいと思う」(20代男性)と、彼女の研究そのものを評価する意見が目立ち、「バッシングなどで若い人の芽を摘んではいけない」(60代男性)と、これからの活動に期待して擁護する声もみられた。また、もうひとつ多かったのは、小保方氏ではなく理化学研究所などの姿勢に対する疑問の声だ。「内部の人間であるはずの理化学研究所が他人ごとのようにしているのはおかしい」(20代男性)、「本来なら上席が事前に調べるべき、小保方氏に責任を押し付けるのは間違い」(40代女性)など、周囲の責任を問う意見が目についた。さらに、当初は小保方さんの割烹着姿などが派手に取り上げられただけに、「発見した時は持ち上げといて、不正がバレると手のひらを返すマスコミの対応は酷すぎる」(40代女性)と、マスコミの姿勢を批判する人もいた。
(3)どちらでもない(62.2%)目立つのは「知識がないので擁護か批判かは判断できない」(30代女性)、「興味がないし、業界の常識も知らないのでなんとも言えない」(30代女性)という声。やはり、専門分野だけに具体的な問題点などはわかりにくいようだ。また、事の真相がまだすべて明らかになっていないことを踏まえ、「全貌がハッキリしていないからわからない」(60代男性)、「論文のコピペなど、確実に判明している問題に関しては良くないと思う。ただSTAP細胞に関しては本人の説明を何も聞いていないため、現段階では糾弾できない」(30代女性)と慎重な意見の人も多い。
理化学研究所と小保方氏の意見が真っ向から対立するかたちとなり、事態は今後泥沼化する懸念も強まっているが、世界的な注目を浴びるほどの研究ゆえ、早期の真相究明が求められているといえよう。
(文=松原麻依/清談社)
