
「治療方法がない疾病にかかり、その激痛に耐えかねて、床の上で転がり回って苦しんでいる人に対して、あなたは『それは治療する手段がありません』『死ぬまで我慢してください』と言えるでしょうか?」
今回のテーマは、性同一性障害で、男性から女性に性転換をされた方から頂いた1通のメールを元に進めたいと思います。
メールには、当サイト記事『同性間で子どもをつくることは可能か?将来的には高い確率で可能~その技術的検証』 に対する感想と、「子どもが欲しい」という切実な気持ちが綴られていました。また、『出産しやすくする“技術的”方法~出産時期を調節、出産・育児を外部委託…』で言及した「人工子宮」や「出産のコントロール」への期待を願われている様子が、ひしひしと伝わってくる内容でした。
私はこれらの提案を、少子化対策の技術的アプローチから行ってきたのですが、性転換をされた人たちにとって、どうしても越えられない問題の一つ「出産」を解決する手段にもなることに気がつきました。この件について、ここからもう一度検討してみようと考えました。
しかし、ここではたと気がつきました。私は「性同一性障害」について、まったく知らなかったのです。
まず、「性同一性障害」が、どういう障害なのか、なぜ発生するのか。また、メールに記載されている各種の用語「TS」「TG」「FTM」「GID」の意味もわかりません。さらに、性同一性障害についての法律や裁判などについては、断片的な知識があるだけです。